【橋本英郎】ガーナ戦で顕著だった攻撃の迫力&アイデア不足。興味深かったのは柴崎の…

カテゴリ:日本代表

橋本英郎

2018年06月01日

相手の虚をつくプレーを織り交ぜないと攻撃は

目に見えて効果的な働きを示したのが柴崎だ。セントラルMFのスタメンを射止めるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 鋭く速い展開の攻撃は、相手に脅威を与えられそうな瞬間もあり、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の時と同じように縦にスピーディーな仕掛けも見られました。守備も落ち着きを取り戻したあとは、失点しそうな危険な形になる前にしっかり防ぐことができていたので、大きな綻びを感じにくい内容に持ち込めていました。
 
 一方で、最後のフィニッシュのところは質を追求する必要がありました。速攻も遅攻も上手く出せてはいました。ただクロスから得点を取る、となると、まだまだ改善の余地がありそうです。クロスに対して入るポイントを整理する、多少の決まりごとを設ける、スピードアップやより枚数を掛けて2次攻撃、3次攻撃に繋げるなど、もっと相手に脅威と感じさせる必要があります。
 
 速攻のときはスピード感を感じすぎていたのか、どうも焦ってシュートを撃っているように感じました。やはり相手がびっくりするような、想像のつかないプレーなどを入れていかないと、分厚い攻撃には繋がりません。

 
 では、後半はどうだったでしょうか。
 
 前半のメンバーからどんどん交代のカードを切ってフレッシュさを与えていったので、選手たちからは「ワールドカップメンバーに入るんだ!」という気迫が大いに感じられました。裏へ走る動きや、シュートシーンにしてもカウンターに対してのポジションバランスが良く取れていたと思いますし、縦パスのチャレンジも柴崎岳選手が入ったあたりからは特に顕著にできていたように感じました。
 
 ただ、後半の立ち上がり、前半と同じようにメンバーが新しく入ったなかでカバーリングや連携の部分で綻びが出てしまったのは残念でした。ガーナにPKで2点目を奪われてからは、敵も重要なポイントを押さえる戦い方に変わりましたね。言うなれば省エネサッカーです。
 
 チャレンジするプレーが多く出たのは後半の良かった側面。香川真司選手、柴崎選手がアクセントを付け、フィニッシュの形も前半に比べると、相手選手がポジション取りをしてしまう前に攻め切れていました。香川選手、武藤嘉紀選手が何度か惜しいチャンスを迎えていましたね。
 
 それでも、前半と同様にゴール前での落ち着きには課題が残りました。アピールしようという気持ちが強いぶん、周りの選手にアシストする動きや、前線の武藤選手と岡崎慎司選手の連携のところでノッキングが起きているように感じました。フィニッシュ時にはやはり前半と同様、相手の虚をつくプレーをもっと意識してほしいですね。そこが改善されれば、ゴールはもっと近くなるのではないでしょうか。
 
 柴崎選手のトライは興味深かったです。中盤エリアで虚をついていたわけではなかったのですが、相手にとって嫌なポイントにボールを入れる機会が多く、それによって展開が変わったところは多分にありました。
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