予想が困難なのは、原口と酒井宏が争う構図の右ウイングバック。正直、このふたりのどちらかをスタメンから外すのは勿体ない。前者はデュッセルドルフで２部リーグ優勝に貢献し、後者はマルセイユでレギュラーとして奮闘。クラブシーンでの活躍を見れば、控えに置いておくのが勿体ない。できれば同時起用したいところだろう。
 
　となると、酒井宏を右ウイングバックにして、原口をシャドーに置く手もあるが、もう一枚のシャドーが宇佐美の場合、本田と香川はともにベンチスタートとなる。本田、香川を「不可欠」と明言した西野監督だけに、さすがにそれはないか。シャドーで使われた回数だけで判断すれば、宇佐美と本田のコンビが最有力と見るべきだろう。
 
　注目の香川は主力組でプレーしたのは２回。スタメンの可能性はもちろんゼロではなく、シャドーで盟友・本田と並ぶかもしれない。“10番”の威厳を示す意味でも、スタメン、サブに関係なく、このガーナ戦で爪痕を残す必要がある。
 
　話が前後したが、右ウイングバックはどちらが使われても不思議はない。最後の決め手はコンディションになるはずで、公開練習での動きを見るかぎりは原口が若干リードか。
 

　右ウイングバック、シャドーと同じくボランチもなかなかの激戦区。山口の相棒を務めるのは、大島か柴崎か。井手口は一度も主力組でプレーせず、三竿はおそらくボランチの５番手。サプライズ選出の青山は早々に離脱しただけに、３－４－２－１システムで本大会を戦うなら、ボランチは「山口＋大島」もしくは「山口＋柴崎」になるだろう。タイプ的に柴崎と大島はかぶる。となると、前回大会も経験している山口は不動のレギュラーと言える。
 
　その山口と公開練習の紅白戦で組んだ回数が多かったという理由で大島をスタメンとしたが、柴崎だったとしてもなんら不思議はない。
 
　いずれにしても、５月30日のガーナ戦で西野ジャパンの全容が多少なりとも見えてくる。
 
取材・文：白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）