イニエスタにはフォルランやポドルスキにないメリットがある。
つまり「名より実」。ここで成功しようというモチベーションが、品定めの重要なポイントとなった。タイから期待を背負ってやって来たチャナティップや韓国人選手たちの活躍が、それを証明している。
またACLで昨年は浦和、今年は川崎と対戦した上海上港の事情を見ても判り易い。オスカールやフッキは、攻撃面では明らかに突出している。だが昨年までのオスカールは、守備面での貢献をまるで放棄していた。一方で圧倒的なパワーを持つフッキでも、しっかりと分析して対応すれば、ある程度は抑え込めた。ようやく今年は監督が代わり、オスカールも見違えるように守備にも汗を流すようになり真価を発揮している。
もっともイニエスタには、フォルランやポドルスキにないメリットがある。何よりボールに触れる機会が多いMFで、大半の日本人選手たちもイニエスタのようにプレーすることを理想として、無条件の憧憬や尊敬がある。例えば、神戸でのポドルスキは、自身にも周囲の選手たちにも戸惑いがあった。ポドルスキがボールを引き出しに下がれば、それを尊重する選手もいれば、逆に狙われると判断して別の選択をする選手もいた。
またACLで昨年は浦和、今年は川崎と対戦した上海上港の事情を見ても判り易い。オスカールやフッキは、攻撃面では明らかに突出している。だが昨年までのオスカールは、守備面での貢献をまるで放棄していた。一方で圧倒的なパワーを持つフッキでも、しっかりと分析して対応すれば、ある程度は抑え込めた。ようやく今年は監督が代わり、オスカールも見違えるように守備にも汗を流すようになり真価を発揮している。
もっともイニエスタには、フォルランやポドルスキにないメリットがある。何よりボールに触れる機会が多いMFで、大半の日本人選手たちもイニエスタのようにプレーすることを理想として、無条件の憧憬や尊敬がある。例えば、神戸でのポドルスキは、自身にも周囲の選手たちにも戸惑いがあった。ポドルスキがボールを引き出しに下がれば、それを尊重する選手もいれば、逆に狙われると判断して別の選択をする選手もいた。
だがピッチの中央にイニエスタが顔を見せれば、他のメンバーも積極的な連動を試みるはずだ。フォルランやポドルスキは、ボールを引き出すフィニッシャーだが、イニエスタはボールも周りの良さも引き出せる。確実に「間」も作れるし、加速を促すワンタッチもある。あるいは、ほんの少しでも隙を見せれば、密集をすり抜けていくドリブルもある。そして中盤にイニエスタが君臨することで、ポドルスキも落ち着いて本来の仕事に専念することが出来るはずだ。
日本のファンが最も待望した助っ人が期待を裏切る姿は想像がつかない。最高のアンバサダーを得た神戸が躍進すれば、Jも新しい時代に突入していく可能性がある。
文●加部 究(スポーツライター)
日本のファンが最も待望した助っ人が期待を裏切る姿は想像がつかない。最高のアンバサダーを得た神戸が躍進すれば、Jも新しい時代に突入していく可能性がある。
文●加部 究(スポーツライター)