――楽天とバルセロナがパートナー契約を締結したことについて。

「バルセロナと楽天はお互いにグローバルな組織団体。両者にとってメリットのあるパートナーシップだと理解しています。世界中のファンに関心を持ってもらうという点でも意味のあること。『バルサアカデミー』とのパートナーシップという点においても、日本のサッカーがかなり進化しているのは実際に来日して感じていることですし、メリットのあることだと感じています」

――『バルサアカデミー』に在籍する日本の子どもたちを、バルセロナのキャンプに送ることについてどう思うか。

「ファンタスティックな、素晴らしいことだと思います。今回来日してまだ日は浅いですが、日本の子どもたちのテクニックの質の高さには驚かされています。バルサアカデミーはいい選手を育てようと、グローバルに育成メソッドを持ってやっていこうと思っている組織ですが、そういう中で日本から６名の選手が来年のラ・マシアキャンプに参加できるというアイデアは、間違いなくバルサアカデミーにとってプラスになるでしょうし、その中からいい選手が出てくることを期待しています」

――ヴィッセル神戸や、福岡のバルサアカデミーでクリニックを行なってみて、技術レベルが高いということ以外にどんな感想を持ちましたか。

「まずヴィッセル神戸の９～12歳の子どもたちについてですが、かなり驚かされました。技術レベルが高いということもそうですが、パスであったりモビリティーといったテーマについてのコンセプトを、すぐに理解したうえで実践してくれたところに驚きました。バルサアカデミーの福岡校でも同じようなレベルの子どもたちに出会えました」
 

――イニエスタにヴィッセル神戸への移籍の噂がありますが、三木谷さんとも親交のあるあなたからなにか話せることはありますか。

「（移籍に関する）情報は持っていません。先週、三木谷社長にお会いして、FC東京戦を神戸で観戦したときにもまったくそんな話は出ていませんでしたし、いま世界中で噂はされていますけど、（欧州以外の）すべてのクラブに可能性があるということで、それ以上私の口からコメントすることはありません」

――イニエスタは日本のサッカーに対応できますか。

「イニエスタほどの選手なら、日本に限らずどこの国に行ったしても問題ないでしょう。スペイン・サッカー界の中でも最高レベルの選手ですし、クラブでも代表でも彼がこれまで示してきたように、どこの国やリーグに行っても、間違いなく最高のプレーを見せてくれるはずです」

――子どもたちを育成していくうえで、今後どのような選手が育ってほしいか。

「（今回のクリニックで）ひとつ気になったのは、私が言ったことを選手が必死にやろうとしすぎるあまり、自分のクリエイティビティーを発揮する場面が少ないということ。なので、そういう創造性は引き出してあげたいなと思っています。サッカーは最終的に選手がピッチ上で判断し、決断するスポーツですので、このスポーツの醍醐味を知ってもらうためにも、子どもたちの背中を押してあげて、自分で（そのプレーを）選択したことは素晴らしいんだよという働きかけ、アプローチはしていきたいですね」