播戸竜二が今だから”黄金世代”に言えること――FC琉球で再認識したサッカーの本質とは

カテゴリ:Jリーグ

佐藤俊

2018年05月03日

「最近、満男や伸二も試合に出てないよね」

プレーする楽しさを実感する播戸は、出場機会が減っている小野(写真)や小笠原の状況を鑑み、「下のカテゴリーでも毎試合に出たほうがいいと思う」と私見を述べた。写真:川本学

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「そうやね。J1とかやと2-2になったら普通はアウェーやし、慌てて点を取りにいく必要はないし、もうちょいリスクマネジメントしながら戦うけど、勢いのままいって打ち合うことが多い。それが良くもあり、悪くもある。
 
 前に行くから見てておもしろいし、前に行くから点が取れるんやけど、取れんくて逆に最後に取られて今日みたいに簡単に負けてしまう。点取った後、どういうサッカーをするのかというのは、まだまだ自分が成長しないといけない部分やと思う」
 
 播戸のチームへの要求は厳しく、味方の選手のプレーにも妥協しない。フリーで上がってきた右サイドバックの屋宮大地が簡単なクロスをミスすると右手を上げて中に入れろと要求した。80分、播戸が中川に決定的なスルーパスを出したがシュートを決めれず、播戸はのけ反った。
 
「やっぱりクロスの質にはこだわって、ちゃんとあげてほしい。それが仕事やからね。俺が出したパスも決めてほしかったね。俺はダイレクトでインサイドで逆サイドを狙ってもらおうと出したんやけど、アウトサイドのシュートになってGKに当たって。もうちょい早いパスを出したほうがよかったんかなぁ(苦笑)」
 
 厳しさを見せるが、試合のことをあれこれ話すのが、なんだか楽しそうだ。それは試合に出ているからだろう。琉球では開幕から8節まで全試合に途中出場でプレーし、2ゴールを挙げている。
 
「もうバリバリいける年齢でもないからね。試合に向けてコンディションをしっかり整えながらやらなあかんけど、やっぱり試合に出るのは大事やで」
 
 播戸が意識しているのは同世代たちのプレーだ。いわゆる黄金世代の選手たちだが、すでに加地亮ら多くの選手が引退した。J1でプレーしている遠藤保仁(G大阪)はコンスタントに試合に出ているものの小笠原満男、曽ケ端準二(ともに鹿島)、小野伸二、稲本潤一(ともに札幌)は、出場機会が減っている。その一方でJ3の北九州では本山雅志がほぼ毎試合出場し、プレーしている。
 
「最近、満男や伸二も試合に出てないよね。J1というカテゴリーや年俸とかにこだわらへんかったら下のカテゴリーでも毎試合に出たほうがいいと思う。やっぱりプレーしているほうが楽しいもん。そう感じられるのは俺自身、昨年、大宮でまったく試合に出られへんかったから。サッカー選手はプレーしてなんぼ。この年齢(38歳)でサッカーできて、さらにまたいろんなもんが見えてくるというのは楽しいよ」
 
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