R・マドリー戦の敗北で心理的なマネジメントが困難な状況に。
ここで、ユーベの状況を見ていくことにしよう。
いまの彼らは、一度は完全に手元に引き寄せたかのように見えた流れがまた離れかけているという、心理的なマネジメントが極めて難しい状況に置かれている。
シーズンの最大目標だったCLでは、準決勝第1レグでレアル・マドリーに0-3の完敗を喫した後、敵地での第2レグで3点を奪って、延長戦に持ち込む寸前まで行きながら、後半ロスタイムにPKを与えて敗退。地獄から天国に浮かび上がろうとした時に再び叩き落とされるような、極めてショッキングな敗北を味わった。
この敗退が与えた精神的なダメージの大きさは、常に冷静なリーダーだった主将ジャンルイジ・ブッフォンが試合直後のみならず、数日を経て冷静になってからもなお、PKの笛を吹いたマイケル・オリバー主審を糾弾するコメントを繰り返していたことにも象徴されている。
さらにセリエAでも、風向きの変化は明らかだ。2月まで首位を走っていたナポリが3月に入って取りこぼしを重ねたのを尻目に首位の座を奪い、6ポイント差までリードを拡げた時には、7連覇はほぼ確実となったかのように見えた。
しかし、前節のクロトーネ戦で終了間際に同点ゴールを許して引き分け、さらにこのナポリ戦でも再び終了間際のゴールで敗北と、ユーベはたった8日間で一気に5ポイントのリードを吐き出したのだ。