下馬評を覆した「なでしこJ」 決勝進出を引き寄せた最大のポイントは何だったのか?

カテゴリ:日本代表

西森彰

2018年04月20日

中国戦でも先発5人を入れ替え。決勝でも注目したい高倉采

オーストラリア戦でのボランチ起用が当たり、日本は次第に内容面が向上。(C) Getty Images

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 そうした点でも、続く準決勝は注目のゲームになった。

 対戦相手の中国は、今大会はグループAに入り、タイ、ヨルダン、フィリピンと格下のチームとばかり戦っていた。準決勝進出へノープレッシャーの反面、準決勝でいきなりレベル差が変わる。そのギャップを狙う指示をした指揮官の指示通り、なでしこジャパンはキックオフからスタートダッシュをかけて、中国を圧倒した。

 先発メンバーを大きく入れ替える高倉監督は、この試合も5人を入れ替えた。GKでは、オーストラリア戦で大会初失点を喫した山下杏也加から、ガーナ戦以来の出場となる池田咲紀子(浦和レッズレディース)へ交代。センターバックも市瀬から、ガーナ戦直前まで別メニューだった三宅史織(INAC神戸レオネッサ)へスイッチ。左サイドバックには鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)に代わって、有吉佐織(日テレ・ベレーザ)を入れた。

 宇津木とダブルボランチを組んだのは、阪口夢に代わった隅田凛(日テレ・ベレーザ)。トップの岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)のやや後方でシャドー気味に位置取ったのは初戦以来の先発起用となった増矢理花(INAC神戸レオネッサ)である。

 さらに、左サイドハーフには長谷川唯(日テレ・ベレーザ)が3戦連続先発。右サイドハーフにはオーストラリア戦に続き中島依美(INAC神戸レオネッサ)が継続起用されたが、フィールドプレーヤー10人の構成は、海外組がふたりで、ベレーザとI神戸が4人ずつ。同一チームの選手が多く、連係が向上した効果もあったのだろうか。グループステージ時よりも、さらに滑らかにボールを動かしてシュートチャンスを作る。39分には、隅田からのタテパスを受けた岩渕が、小気味いいドリブルからシュートを放ち、先制に成功した。

 点を取るしかなくなった中国が、これまでも嫌な仕事をしてきた11番のワン・シャンシャンを投入し、圧力をかけてきた後半も、守備の選手が身体を張って十分な体勢でのシュートを許さない。オーストラリア戦では選手交代を引っ張った高倉監督だが、決勝進出がかかるこの試合では、最も確実な選択をした。川澄奈穂美(シアトルレイン)、そして横山久美(フランクフルト)の投入だ。

 85分、左サイドバックで先発していた有吉佐織(日テレ・ベレーザ)からのパスを受けた横山が、アウトサイドにかけたシュートで2点目。その数分後にも、岩渕のタメのあるドリブルを起点に、増矢、川澄とつなぎ、横山のシュートが相手DFの手に当たってPK。3点目を加えて試合を決めた。

 中国が、出足の違いに戸惑う間に先制。逆襲に転じた相手の攻勢を耐えて、カウンター用に切った交代カードでダメ押し点を奪う。教科書通りの鮮やかな手順で、高倉監督のチームは準決勝を制した。

 決勝は、オーストラリアと、1週間ぶりの再戦となる。ここまで高倉監督は、監督就任後、同一チームとの再戦時には、スターティングメンバーを半数近く入れ代えている。もちろん、これだけ試合間隔が狭い再戦は初めてであり、これまでの傾向がそのまま当てはまるかどうかは分からない。

 決勝でも、スターティングメンバーを含めた、高倉監督の采配に注目したい。

取材・文●西森 彰(フリーライター)
 
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