「謎の物体」「ボスポラス海峡のディバラ」ローマの超新星ジェンギズって何者?

カテゴリ:ワールド

神尾光臣

2018年04月11日

「ボスポラス海峡のディバラ」と呼ばれるトルコの至宝。

トルコ代表のルチェスク監督(右)は、「今のブレイクはまったく驚きではない。攻撃のあらゆる才能に恵まれている」とジェンギズ(左)をべた褒めしている。(C) Getty Images

画像を見る

 実際、能力は折り紙付きだった。ただ、戦術的にはもちろん、言葉の問題や生活文化の相違も大きく、カルチョとイタリアの新しい環境に馴染むのにどうしても時間が必要だったのだ。適応が進むにしたがい、その才能が爆発。

 右サイドから利き足の左足を駆使してバイタルエリアに侵入し、スピードと細かいフェイントで相手DFを翻弄すると、コンパクトな振りのシュートでゴールを奪う。

 プレースタイルと体格からトルコでは「ボスポラス海峡のディバラ」と呼ばれているが、ローマの2人のレジェンドにも通じる部分がある。

 ディ・フランチェスコ監督曰くフィニッシュのスタイルはヴィンチェンツォ・モンテッラを彷彿とさせる。さらに、利き足こそ違うが、パンチのあるミドルシュートは、若き日のフランチェスコ・トッティにも重なる部分がある。

 そのキャリアの出発点は、ガラタサライと並んでトルコ屈指の育成組織として有名なブジャスポル。15歳で国内のアルティノルドゥに引き抜かれ、2年後には2部リーグを戦うトップチームにデビューする。2シーズンの公式戦58試合で11ゴールを決めるなど、順調に成長していった。

 

 16年夏には、トルコでもっとも野心的な新興クラブであるバシャクシェヒルに移籍。1部リーグ初挑戦ながら公式戦43試合で9ゴール・7アシストという成績を残し、強豪ベジクタシュと最後まで国内リーグ優勝を争う原動力となった。

 その才能に目を付けたローマは、1年をかけてパフォーマンスを吟味。2017年4月下旬にSDに就任したモンチも獲得にゴーサインを出し、チェルシーやマンチェスター・シティなどビッグクラブとの競合を制して引き抜きに成功した。

 このところのハイパフォーマンスによって注目度は右肩上がりで、イタリアのブックメーカーは「5年以内にジェンギズがバロンドールを獲れるか?」という賭けを始めたほど。それが実現するかはともかく、昨シーズン限りで引退したトッティに代わる新しいアイコンとして、ロマニスタの期待はすこぶる高い。

文:神尾光臣

※ワールドサッカーダイジェスト2018.4.19号より加筆・修正
【関連記事】
選手はロッカーで狂乱、会長は噴水にダイブ、公式ツイッターは崩壊…奇跡の勝利にローマが“狂う”
【藤田俊哉の目】西野ジャパンの先発布陣を探る!! 鍵を握るのは長谷部、岡崎!“一発逆転”の条件は…
【セルジオ越後】なぜ後任が西野監督なのか?理由は謎だし、理解できない
世界中の「美女サポーター」が集結! ロシアW杯は「美人すぎる」「セクシーすぎる」と話題沸騰必至
ハリル解任は「妥当」だったのか? 5000人のファンによる「民意」は?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2025年7月号
    6月10日(火)発売
    今、面白いクラブを総力特集‼
    ファジアーノ岡山
    徹底読本
    クラブが辿った奇跡のストーリーに迫る
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年7月3日号
    6月19日発売
    新生レアル・マドリー完全攻略読本
    シャビ・アロンソ新体制が始動
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ