「ブラジルの10番」 期待と重圧を背負うネイマールは“伝説”となれるか

カテゴリ:国際大会

大野美夏

2014年06月12日

このワールドカップのために神が授けた才能。

プレッシャーには慣れっこだと言うネイマールにとって、スコラーリ監督(左)の存在も心強い。 (C) Getty Images

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 小さな頃から抜きん出た才能を見せてきたネイマールは常に注目を集め、チームの主役として責任を背負ってきた。
「プレッシャーには慣れっこだよ」
 それが口癖だ。プレッシャーをも楽しみ、いつでもアレグリア(喜び)を持ってプレーする、それがネイマールだ。
 
 コンディションは万全だ。バルセロナでのシーズン終盤に怪我をして休んだのが、かえってよかった。ワールドカップに影響するほどの重傷ではなく、走りつづけた心身を休めるちょうどいい機会になった。バルサに移籍したのは昨年8月。ブラジル国内に残っていればシーズンオフだった12月と1月がオフではなくなり、ネイマールは1年以上ほぼノンストップでプレーを続けていたのだ。
 
 1年目のバルサでは、本領発揮とはいかなかった。それでも、ヨーロッパでの経験を糧に、優勝に貢献した昨夏のコンフェデレーションズ・カップからさらに成長しているのは間違いない。
 
「得点王とか大会MVPを目指しているわけじゃない。目標はあくまで優勝だ。歴代の名手たちが背負ってきたセレソンの10番を背負うのは誇りだ」
 
 みずから志願し、コンフェデで初めてつけた10番は、この1年ですっかりネイマールのものになった。自他ともに認めるブラジルの10番として、ネイマールは初めてのワールドカップに臨む。
 
 13歳の頃からひっきりなしだったヨーロッパのクラブからの誘いを断りつづけ、昨夏のバルサ移籍まで、とにかくブラジルでプレーすることにこだわった。そのブラジルの青い空の下、ブラジルの空気を吸い、ブラジルの人々に支えられてきたネイマールは、いま、子供の頃からの夢を叶えようとしている。
 
 ネイマールとは、ブラジル・ワールドカップのために神がこの世に授けた才能。そうとも言えるだろう。天才ならではの閃きを、ワールドカップという至高の舞台で存分に楽しませてもらおう。
 
文:大野美夏
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