【日本代表W杯の軌跡】勝利を呼び込んだ決断|2010年南アフリカ大会・デンマーク戦

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年06月11日

試合を追うごとに成長する日本。決勝トーナメントへ。

高い技術を見せつけた遠藤(背番号7)のFKによる追加点。精神的にも、試合運びのうえでも、日本にとっては大きな大きな1点となった。 (C) SOCCER DIGEST

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 前半のうちに遠藤保仁がFKを決めて差を2点に広げられたのも、大きかった。これがデンマークの焦りを誘い、その攻撃が途端に単調になっていく。後半に入ると、すぐにデンマークはパワープレーを仕掛けてきたが、「対策は練ってきた」と中澤佑二は言う。むしろ、神出鬼没なトマソンを使った攻撃のほうが、はるかに守りづらかった。
 
 田中マルクス闘莉王と中澤が次々と跳ね返し、長谷部や阿部勇樹、遠藤がセカンドボールを拾った。CBのダニエル・アッガーまでもが上がってきても、動じることなく阿部が対応。4年前のドイツ大会、オーストラリアのパワープレーに屈したひ弱な姿は、そこにはなかった。
 
 アッガーと競り合った長谷部が不運なPKを取られたが、終了間際に岡崎慎司がダメ押しの3点目を奪ってデンマークに引導を渡す。その7分後、本田のシュートがバーを越えたところで、ついにタイムアップの笛が鳴った。
 
「今大会は守備面ですごく手ごたえがある。攻撃面でも良い形を作れるようになってきた」という長谷部の言葉が、試合を追うごとに成長しているチームの充実ぶりを物語っていた。
 
 02年の日韓大会以来2度目となるベスト16進出。決勝トーナメント1回戦の相手は、パラグアイに決まった。
 
 8年前のトルコ戦には、どこか達成感が漂い、試合に入り込めないまま敗れたという悔いが、日本サッカー界には残る。しかし、いまのチームには、慢心も、達成感もない。宮城の苦い思いを払拭する時が来た。
 
 
◆2010年6月24日 ルステンブルグ
日本 3‐1 デンマーク
 
【得点者】
日=本田(17分)、遠藤(30分)、岡崎(87分)
デ=トマソン(81分)
 
【日本】
GK:川島
DF:駒野、中澤、闘莉王、長友
MF:阿部、遠藤(90+1分稲本)、長谷部、大久保(88分今野)、松井(74分岡崎)
FW:本田
 
【デンマーク】
GK:セーレンセン
DF:L・ヤコブセン、クロルドルップ(56分ラーセン)、アッガー、S・ポウルセン
MF:C・ポウルセン、トマソン、ヨルゲンセン(34分J・ポウルセン)
FW:ロンメダール、ベントナー、カーレンベルク(63分エリクセン)
 
 
※週刊サッカーダイジェスト2010年7月13日号より

上段左から阿部、中澤、闘莉王、川島、本田。下段左から長谷部、長友、遠藤、駒野、大久保、松井。 (C) SOCCER DIGEST

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