【日本代表W杯の軌跡】魂を震わす会心の勝利|2010年南アフリカ大会・カメルーン戦

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年06月09日

狙い通りの展開で手にした“アウェー”での初白星。

組織で堅固なブロックを築き、危険な場面では身体を張って止める。日本の守備意識は徹底されていた。 (C) SOCCER DIGEST

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 この日の日本が採用したシステムは、中盤をフラットにした変則的な4-3-3。6月4日、親善試合のコートジボワール戦の3本目で実験的に試したのが機能して、急きょ採りいれた守備的な布陣である。
 
 右から長谷部、阿部、遠藤と並んだ3人のボランチが、カメルーンの中盤、エノ、ジョエル・マティプ、ジャン・マクンの前でブロックを敷き、その後ろで4バックがふたつ目の防波堤を築く。攻撃は前線の3人頼みになるが、それは予定通りのことだった。
 
 試合後、岡田武史監督は「やり合うリズムになると、やはりカメルーンは怖い。相手に持たせておいたほうが、得策だと思っていた」と明かした。スローペースに持ち込みながら、勝機をうかがおうとしたのだ。
 
 また前日会見では、後半勝負のゲームプランも視野に入れていることも明かしていた。それがワンチャンスで先制したのだから、願ってもない展開だった。カメルーンがアシル・エマナ、ジェレミ、モハマドゥ・イドリスと、次々にカードを切ってパワープレーに出てきたのに対し、日本は岡崎慎司、矢野貴章と攻撃のカードを切ってカウンターを狙う一方で、運動量が豊富な彼らは守備強化の面でも効力を発揮した。終盤にはさらに稲本潤一を送り込んで、中盤でのプレッシャーを強めていく。
 
「最後まで自分の力を信じて守れたことが大きい。守備に関しては狙い通り」と、本田は胸を張った。
 
 試合後、サブの選手たちやスタッフがピッチ上になだれ込み、まるで優勝したかのように歓喜の輪がそこかしこで広がった。アウェーのワールドカップで初めてつかんだ勝点3。この勲章を手に、日本は5日後のオランダ戦に臨む。
 
 
◆2010年6月14 ブルームフォンテーン
日本 1‐0 カメルーン
 
【得点者】
本田(39分)
 
【日本】
GK:川島
DF:駒野、中澤、闘莉王、長友
MF:長谷部(88分稲本)、阿部、遠藤
FW:松井(69分岡崎)、本田、大久保(82分矢野)
 
【カメルーン】
GK:ハミドゥ
DF:エムビア、ヌクル、バソング、アス=エコト
MF:マティブ(64分エマナ)、マクン(75分ジェレミ)、エノ
FW:エトー、ウェボ、チョウポ=ムティンク(75分イドリス)
 
 
※週刊サッカーダイジェスト2010年6月29日号より

上段左から川島、阿部、中澤、闘莉王、本田。下段左から松井、遠藤、長友、駒野、大久保、長谷部。 (C) SOCCER DIGEST

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