オーバメヤン欠場も…BNK48とチャナティップに沸いたタイ 「キングスカップ」取材記

カテゴリ:ワールド

佐々木裕介

2018年03月29日

チャナティップの人気、チームに与える存在感は絶大だった。

スタジアム前の大通りに並ぶキングスカップの広告看板。選手とBNK48メンバーのポスターが交互に並ぶ。写真:佐々木裕介

画像を見る

 一年で一番暑い時期とも言われるソンクラーンを控えるタイ。大会初日はどのチームも照り付ける陽射しと湿気から冴えないプレーの連続にがっかりしたのだが、タイ代表対スロバキア代表の対戦となった決勝には、45,425人の観衆が集まり、非常に見応えあるフィナーレを楽しむことが出来た。
 
 大会名の通り、王室者の参列もあり、試合開始前には国王賛歌と国歌がダブルで流れる。そんな名歴に相応しい空気が張り詰めたなかでキックオフとなった。
 
 直前のFIFAランクでは、129位(タイ代表)対29位(スロバキア代表)と、格の違いが明らかな両者の顔合わせ。試合は、精神的な脆さが否めないタイ代表が、2点のビハインドを負うことに。しかし、心折れてもおかしくない展開にも格上相手に臆することなく攻める続ける姿に、チャーンスック(タイ代表の愛称)の成長を感じずにはいられなかった。これも海外組の面々が肌で感じた経験を持ち帰り示した変化の一面なのかもしれない。特にチャナティップの人気はさることながら、彼のチームに与える存在感は絶大だった。
 
 試合スコアは3-2。スロバキア代表が第46回大会を制した。しかし、タイ代表がボールを保持する度に「オイッ!!」とムエタイさながらの掛け声を響かせ、また独自のチャントで自国の選手たちを鼓舞するファンの姿には、ワールドスターを観られなかった淋しさはもうない。
 
 決勝翌日、過激派サポーター集団“ウルトラス・タイランド”が陣取った南側ゴール裏スタンドの椅子が数十個破損するという愛嬌振りまくニュースを目にした。タイ・サッカー協会はまた彼らに悩まされることとなるのだろうが。
 
 決勝戦に先駆け午後4時から行なわれた、ガボン代表対UAE代表の順位決定戦。身体能力を前面に出すフットボールを目の当たりにし、一喜一憂するタイ人ファン、また陽が差し込む擂鉢型陸上競技場を見渡した時、当時はまだ日中に開催されていた90年代のキリンカップを思い出し、妙にノスタルジックな気持ちになった。日本にも開催間際になってスター選手の“ドタキャン”が数多くあった時代である。
 
 多くのスター選手が海外挑戦する時代に突入し、今回は海外チームとのマッチメイクの難しさを経験した。また協会とファンとの関係性の構築なども今後の課題になってくるだろう。話題に事欠かないタイ・サッカー界。今まさに成長局面を突き進んでいる。
 
取材・文・写真●佐々木裕介
 
【関連記事】
タイでKINGと呼ばれる男――チャナティップも憧れた日本人選手の紆余曲折のサッカー人生
タイ2部へ渡った元日本代表DF。J1からのオファーを断って選んだ36歳の海外挑戦
世界中の「美女サポーター」が集結! ロシアW杯は「美人すぎる」「セクシーすぎる」と話題沸騰必至
【美女チア】溌剌と美しく!『アルビレックスチアリーダーズ』を一挙に紹介!
【美女チア】ピッチの女神たち!『ガンバ大阪チアダンスチーム』を一挙に紹介!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト シーズンラストの決定版
    5月16日発売
    2023-2024シーズン
    欧州5大リーグ
    BEST PLAYER
    元選手・識者たちが徹底討論!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ