パフォーマンスの良し悪しの判断が難しいのが原口元気と本田圭佑だ。ウクライナ戦のスタメンに名を連ねた原口は１対１の局面でまずまず戦えていた。あっさり抜かれるようなシーンはなく、むしろ相手の動きを封じていた印象が強い。ただ、肝心のシュートもゴールもゼロ。個の能力は高いのだから、得意のカットインからミドルを狙うなりしてもよかったはずだ。
同じくウクライナ戦で先発出場した本田もシュートは０本。１対１の局面で簡単にボールを失う時もあり、満足できるレベルではなかった。ただ、長友佑都が「マリ戦でも（途中から本田）圭佑が入ってリズムが出た。タメを作ってくれるから、サイドバックも中盤も最終ラインも押し上げることができる。地味だけど、チームに与える効果は絶大」と言うように、確かに本田のタメを作るプレーは味方の呼吸を整えるうえで重要だった。
縦一辺倒ではなく、攻撃の幅を広げる意味では…
日本のレベルで考えれば、ワールドカップの舞台で90分間守り続けるのはほぼ不可能だ。最終ラインの負担を軽減する意味でも、本田が実践したように時には中盤でポゼッションを高めて落ち着く時間帯を確保するのも大切である。縦一辺倒ではなく、攻撃の幅を広げる意味では本田は今なお貴重な戦力だ。
取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）
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