フットボール文化の発展にはメディアの進化が欠かせない。

ベルギー代表の現役コーチでありながら『Sky Sports』の解説者との“二刀流”をこなすアンリ(右)もまた、フットボール・ファンから人気を博している一人だ。 (C) Getty Images
近年、フットボール・メディアの中心は、テレビから少しずつ離れていっている。ラジオやインターネット、そしてソーシャルメディアなど、試合模様を伝える媒体は数多く存在し、それに合わせて解説者の数も増加しているのが実情だ。
元選手や元監督たちがメディアで多くの仕事を手にするなかで、顕著となっているのは、解説者たちの“スタイル”の変化である。
これまでの解説業はテレビが主であり、お世辞にもファンと近しい存在とは言えなかった。しかしSNSの発展によって、より議論を白熱させることが可能になり、ハイライト番組も、SNSユーザーの意見ありきのものが増えている。
そうした風潮を受け、多くの解説者がファンの注意を惹くために、刺激的で、時に極端なコメントをするようになった。
元選手や元監督たちがメディアで多くの仕事を手にするなかで、顕著となっているのは、解説者たちの“スタイル”の変化である。
これまでの解説業はテレビが主であり、お世辞にもファンと近しい存在とは言えなかった。しかしSNSの発展によって、より議論を白熱させることが可能になり、ハイライト番組も、SNSユーザーの意見ありきのものが増えている。
そうした風潮を受け、多くの解説者がファンの注意を惹くために、刺激的で、時に極端なコメントをするようになった。
それは国内で最も影響力を持つ『BBC』で解説業に勤しむリネカーやシアラーも同様だ。とりわけ、SNSで690万人というフォロワーを持つ前者のツイートは、彼が出演している『Match Of The Day(ハイライト番組)』の視聴者数よりも、多くのファンが見ているかもしれない。
SNSでの振る舞いを理解しているリネカーは、そうした点で他の解説者たちと一線を画しているように私は思う。2015-16シーズンに古巣レスターがプレミアリーグで“奇跡の優勝”をした際には「パンツ一丁でテレビに出る」と公言し、それを実行したこともファンを惹きつける要因となった。
一方で最近では、SNSを通じて、英各紙の番記者やジャーナリストたちが持論を展開して人気を博している。彼らには元プロの解説者にはない独自の視点があり、プレミアリーグを発展させることに一役買っている。
フットボール文化の発展には、メディアの進化が欠かせない。常に欧州の最先端を行こうとするプレミアリーグを有するイングランドでは、多くの関係者が、その進化に後れを取るまいと日々競争を続けている。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
【著者プロフィール】
STEVE MACKENZIE/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝を飾った。
SNSでの振る舞いを理解しているリネカーは、そうした点で他の解説者たちと一線を画しているように私は思う。2015-16シーズンに古巣レスターがプレミアリーグで“奇跡の優勝”をした際には「パンツ一丁でテレビに出る」と公言し、それを実行したこともファンを惹きつける要因となった。
一方で最近では、SNSを通じて、英各紙の番記者やジャーナリストたちが持論を展開して人気を博している。彼らには元プロの解説者にはない独自の視点があり、プレミアリーグを発展させることに一役買っている。
フットボール文化の発展には、メディアの進化が欠かせない。常に欧州の最先端を行こうとするプレミアリーグを有するイングランドでは、多くの関係者が、その進化に後れを取るまいと日々競争を続けている。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
【著者プロフィール】
STEVE MACKENZIE/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝を飾った。