周囲との“ズレ”に苦しむ武藤嘉紀…「楽しみ」な長谷部誠との対決で鬱憤を晴らせるか!?

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2018年03月17日

それぞれ苦しんでいるマインツFW陣…

現在16位のマインツ。15位のヴォルフスブルクとは同勝点で、13位ブレーメン、14位フライブルクとも勝点5差と大きく引き離されてはいない。今後は1つの勝利が大きな意味を持つ。ちなみに17位ハンブルクとの差は7である。 (C) Getty Images

画像を見る

 やはり、ゴールが決まらないと最後の勢いは出てこないし、勝点に結び付かない。ここ8試合で5得点は、やはり少ない。
 
 FW陣は、それぞれ苦しんでいる。冬に新規加入したアンソニー・ウジャーは、まだチーム内で居場所を見つけたとは言い難く、長身FWのエミル・ベルグレーンは怪我がち。エースとして武藤にかかる期待は大きいが、ここ数試合では目立った活躍ができていない。
 
 いつでも精力的に動こうとはしているが、パスが欲しいタイミングや場所のイメージにおいて、武藤本人とチームメイトは、どこかズレてしまっているようだ。
 
 スペースに流れて受けようとしているのに、ロングボールが飛んでくる。足元で受けようと準備しているのに、パスが出てこない。相手を引きつけようとしているのに、足元にパスが出てくる……。
 
 象徴的だったのは、ハンブルク戦後半のワンシーン。自陣でのFKで、まだ完全にオフサイドの位置にいた武藤めがけて、いきなりロングボールが蹴り込まれたのだ。武藤はゆっくり戻りながら次の展開に備えようとしていたために、これに反応することもできなかった。
 
 武藤はシャルケ戦でスタメンから外れ、65分から途中交代。だがこの試合でも、終盤はロングボールの連続になってしまい、これといったシュートチャンスがないまま、試合は終わってしまった。
 
 フラストレーションも溜まっているだろう。ミックスゾーンでも表情は硬い。だが、気持ちは切り替えなければならない。次はフランクフルトとの「ライン・マイン・ダービー」だ(日本時間17日23時30分キックオフ)。
 
「はせさん(長谷部誠)とやれるのはすごく楽しみ」と少し笑顔になった後、「この鬱憤を晴らさないとね」と呟いた。1つのプレー、1つのゴール、1つの勝利が、大きく流れを変えていく。目標の2桁ゴールを達成するためにも、チームを残留に導くためにも、立ち止まっている暇はない。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
【関連記事】
宇佐美貴史の4試合連続弾に絶賛の嵐!「価値あるゴール」「2万8千人のファンを魅了した」
「なぜフランス語を話さない?」マルセイユ酒井宏樹は報道陣の意地悪な質問にどう答えた?
「こんなに美人揃いのチームは…」バルサの女子チームが壮麗な集合写真を公開!
「まさに天使だ!」韓国女子代表のビーナス、イ・ミナが最新の自撮り公開でファン熱狂!
Jリーガーの「好きな女性タレント」ランキング2018年版! 石原さとみや新垣結衣を抑えて1位に輝いたのは?
「ムトウがマインツを生還させる!」ブンデス公式が武藤嘉紀を異例のベタ褒め
【ブンデス日本人の現地評】大迫はゴールも及第点止まり、デュッセルドルフの2人を地元紙は絶賛!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ