それぞれ苦しんでいるマインツFW陣…

現在16位のマインツ。15位のヴォルフスブルクとは同勝点で、13位ブレーメン、14位フライブルクとも勝点5差と大きく引き離されてはいない。今後は1つの勝利が大きな意味を持つ。ちなみに17位ハンブルクとの差は7である。 (C) Getty Images
やはり、ゴールが決まらないと最後の勢いは出てこないし、勝点に結び付かない。ここ8試合で5得点は、やはり少ない。
FW陣は、それぞれ苦しんでいる。冬に新規加入したアンソニー・ウジャーは、まだチーム内で居場所を見つけたとは言い難く、長身FWのエミル・ベルグレーンは怪我がち。エースとして武藤にかかる期待は大きいが、ここ数試合では目立った活躍ができていない。
いつでも精力的に動こうとはしているが、パスが欲しいタイミングや場所のイメージにおいて、武藤本人とチームメイトは、どこかズレてしまっているようだ。
スペースに流れて受けようとしているのに、ロングボールが飛んでくる。足元で受けようと準備しているのに、パスが出てこない。相手を引きつけようとしているのに、足元にパスが出てくる……。
象徴的だったのは、ハンブルク戦後半のワンシーン。自陣でのFKで、まだ完全にオフサイドの位置にいた武藤めがけて、いきなりロングボールが蹴り込まれたのだ。武藤はゆっくり戻りながら次の展開に備えようとしていたために、これに反応することもできなかった。
武藤はシャルケ戦でスタメンから外れ、65分から途中交代。だがこの試合でも、終盤はロングボールの連続になってしまい、これといったシュートチャンスがないまま、試合は終わってしまった。
フラストレーションも溜まっているだろう。ミックスゾーンでも表情は硬い。だが、気持ちは切り替えなければならない。次はフランクフルトとの「ライン・マイン・ダービー」だ(日本時間17日23時30分キックオフ)。
「はせさん(長谷部誠)とやれるのはすごく楽しみ」と少し笑顔になった後、「この鬱憤を晴らさないとね」と呟いた。1つのプレー、1つのゴール、1つの勝利が、大きく流れを変えていく。目標の2桁ゴールを達成するためにも、チームを残留に導くためにも、立ち止まっている暇はない。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
FW陣は、それぞれ苦しんでいる。冬に新規加入したアンソニー・ウジャーは、まだチーム内で居場所を見つけたとは言い難く、長身FWのエミル・ベルグレーンは怪我がち。エースとして武藤にかかる期待は大きいが、ここ数試合では目立った活躍ができていない。
いつでも精力的に動こうとはしているが、パスが欲しいタイミングや場所のイメージにおいて、武藤本人とチームメイトは、どこかズレてしまっているようだ。
スペースに流れて受けようとしているのに、ロングボールが飛んでくる。足元で受けようと準備しているのに、パスが出てこない。相手を引きつけようとしているのに、足元にパスが出てくる……。
象徴的だったのは、ハンブルク戦後半のワンシーン。自陣でのFKで、まだ完全にオフサイドの位置にいた武藤めがけて、いきなりロングボールが蹴り込まれたのだ。武藤はゆっくり戻りながら次の展開に備えようとしていたために、これに反応することもできなかった。
武藤はシャルケ戦でスタメンから外れ、65分から途中交代。だがこの試合でも、終盤はロングボールの連続になってしまい、これといったシュートチャンスがないまま、試合は終わってしまった。
フラストレーションも溜まっているだろう。ミックスゾーンでも表情は硬い。だが、気持ちは切り替えなければならない。次はフランクフルトとの「ライン・マイン・ダービー」だ(日本時間17日23時30分キックオフ)。
「はせさん(長谷部誠)とやれるのはすごく楽しみ」と少し笑顔になった後、「この鬱憤を晴らさないとね」と呟いた。1つのプレー、1つのゴール、1つの勝利が、大きく流れを変えていく。目標の2桁ゴールを達成するためにも、チームを残留に導くためにも、立ち止まっている暇はない。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。