前節シャルケ戦でマインツは良さを見せたが…

後半戦は2戦連続と最高のスタートを切ったが、悪化するチーム状態のなかで1本のシュートすら打てない試合も……。少ないチャンスをモノにできる武藤だけに、この状態がもどかしい。 (C) Getty Images
マインツは直近の公式戦8試合で、わずかに1勝しかできていない。
ブンデスリーガ第25節のハンブルク戦では全く良いところがなく、残留を直接争う相手との対戦で、終始、主導権を握られてしまった。
攻撃ではビルドアップからのパスがほとんど繋がらず、いたずらにロングボールを前線に蹴りこむばかり。無失点で終えたとはいえ、プレスのかけどころが曖昧な守備でも、相手に振り回されてしまうことが多かった。
ブンデスリーガ第25節のハンブルク戦では全く良いところがなく、残留を直接争う相手との対戦で、終始、主導権を握られてしまった。
攻撃ではビルドアップからのパスがほとんど繋がらず、いたずらにロングボールを前線に蹴りこむばかり。無失点で終えたとはいえ、プレスのかけどころが曖昧な守備でも、相手に振り回されてしまうことが多かった。
この試合でフル出場した武藤嘉紀も試合後、「奇跡に近いんじゃないですかね。あれだけシュート打たれて、思うようにボールも回されて。前から行く戦術だったのに、全く行かずに……。全て後手後手で、よく負けなかったな、という印象」と振り返っていたが、その言葉通りの厳しい試合内容だった。
誰もが、「早く安心できるだけの勝点が欲しい」と思っていることだろう。とはいえ、焦りは何ももたらさない。監督のサンドロ・シュバルツは、ハンブルク戦での不調を「クオリティーの問題ではなく、メンタル的なものだ」と指摘する。
そして、「個別で、選手と話をする。緊張感だけではなく、リラックスすることとのバランスが重要だ。『ここからの毎試合は、ラストゲームのつもりで戦え!』というのでは、うまくいかない」と、平常心を保つことの大切さを訴えた。
そうしたアプローチの効果もあったのだろう。ホームに2位シャルケを迎えた26節の一戦では、立ち上がりから攻守に躍動感のある勇敢なサッカーを披露。中盤からの激しいプレスの連続で、相手にスペースを与えずに、ほとんどチャンスを作らせなかった。
攻撃でも、前半こそロングボールが多かったが、後半はサイドから相手を崩してチャンスも作り出した。
シャルケのドメニコ・テデスコ監督も、この日のマインツに対しては、以下のようにそのプレーを褒めていた。
「特に前半はマインツが強く、とてもアグレッシブだった。相手の攻撃を分断するために、うちのFWには、相手のDF陣にパスを出させないように指示したが、うまくいかなかった」
「後半から入ったゴレツカが新しい刺激をもたらし、カリジューリの素晴らしいゴールで勝つことができたが、今日は相手の方が勝つべきチームだった。それでも、ここマインツで勝ち切れたことを、誇りに思う」
確かに、内容的に良かった。だがこの日、手にした勝点は0。惜しい場面はあった。だが、この日も得点数も0……。
シュバルツ監督は、「後半開始直後のビッグチャンス、PKかもしれないシーンもあった。失点後のシステム変更には、選手がうまく対応してくれた。だが、最後のパスの正確さ、それがうまくいかなかった。残念だ」と分析していた。