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【小宮良之の日本サッカー兵法書】良い選手はどこから、どのようにして生まれるかを改めて考える

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年03月09日

他競技がサッカーの名手を生み出す場合も

アギレチェ(写真)の言葉を借りるまでもなく、選択肢は広く持った方が良いだろうが、才能の開花の仕方は多様。それが育成の難しさであり、奥深さでもある。 (C) Getty Images

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 では育成の改善には、他にどのような手段があるのか――。2月に上梓した拙著「FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場」(東邦出版)でも記しているが、複数のスポーツをユース年代に楽しむことは、そのひとつかもしれない。
 
 スペイン・バスク地方の(サン・セバスティアンのある)ギプスコア県では、12歳までクラブに所属することが禁じられている。多くのスポーツを経験し、選択肢を限定させないためだ。
 
 事実、多くのサッカー選手が、幼少期はバスク伝統のペロタ(スカッシュのような競技)やバスケットボール、ハンドボールなどのスポーツを同時にたしなんでいる。
 
「異なるスポーツをして良かったのは、自分の身体の動きを知れたこと。どう身体は動くのか、どうやったら早く動くのか。例えば、ジャンプし、ボールを叩く、ということでも、そのタイミングを計算できるようになった」
 
 バスクを代表するストライカーのひとり、イマノル・アギレチェ(レアル・ソシエダ)は明かしている。
 
 日本サッカー界でも、「野球をやっていた少年はヘディングが上手い」という定説が、昔はあった。飛球をキャッチする練習で、ボールの速度、自分の位置を把握し、落下点を見極められるようになるからだ。
 
 理想の育成環境。
 
 それは作りすぎてもいけないし、放置するだけでは生まれず、時代に合わせ、常に模索する必要がある。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)、ヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2018年2月には「FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場」(東邦出版)を上梓した。
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