「デシマ」と「プリメーラ」――達成されるのはどちら!?
思わぬチャンスがアトレティコの元に転がり込む。世界一クラブを決するインターコンチネンタル・カップの出場権を、バイエルンが放棄したのだ。暴力沙汰が多発するこのコンペティションで選手が傷つくことを恐れるがゆえのボイコットだったが、アトレティコは繰り上げでの出場を受け入れてインデペンディエンテとの決戦に臨み、敵地での敗戦(0‐1)をホームで挽回(2‐0)。欧州を制する前に“世界王者”となったのである。
しかし、これ以降30年近く、アトレティコは欧州タイトルと無縁の時を送る。唯一決勝に進んだのは86‐87シーズンのカップウィナーズ・カップだったが、ディナモ・キエフの猛烈な勢いに押され、0‐3で敗れ去った。90年代、そして21世紀に入ってから、低迷して2部リーグに降格することもあれば、チャンピオンズ・リーグやUEFAカップで上位に進出するなど、激しい雌伏の時を繰り返してきたが、トロフィーには手が届かなかった。
クラブの歴史が変わったのは2009‐10シーズン。創設されたばかりのヨーロッパリーグが、新たな飛躍への舞台となった。チャンピオンズ・リーグでグループリーグ3位に沈んでの出場ではあったが、ベスト32から連続する僅差の勝負をモノにし、フルアムとの決勝では現セレッソ大阪のディエゴ・フォルランの2ゴールで延長戦の末に勝利。62年同様、ドイツの地で優勝トロフィーを天に掲げた。
そして現時点で最後の欧州タイトル獲得は、11‐12シーズン。ディエゴ・シメオネがシーズン途中で監督に就任するとチームは上昇気流に乗り、ラダメル・ファルカオやジエゴの活躍によって、準決勝でバレンシア、決勝でアスレティック・ビルバオとの同国対決をいずれも制し、2度目の同カップ制覇を果たした。なおスーパーカップでは、10年はインテル、12年はチェルシーと、いずれも欧州王者を下している。
シメオネ監督に率いられたアトレティコは、その後も進化を続け、ついに今シーズン、18年ぶりの国内リーグ優勝を果たし、さらにチャンピオンズ・リーグ決勝でのダービーマッチを実現させた。その勢いは凄まじい限りである。
「デシマ」、すなわち“10回目”の欧州王者に向けてマドリーは並々ならぬ意気込みでリスボンでの一戦に臨んでくる。速さと巧さはアトレティコを大いに苦しめるだろう。しかし極限でのつばぜり合いなら、アトレティコが大いに得意とするところだ。乗り越えてきた試練の数では、マドリーに負けていない。
そしてモチベーションも十分だ。“初”の欧州制覇はクラブの悲願である。「デシマ」には「プリメーラ」で対抗だ!!
しかし、これ以降30年近く、アトレティコは欧州タイトルと無縁の時を送る。唯一決勝に進んだのは86‐87シーズンのカップウィナーズ・カップだったが、ディナモ・キエフの猛烈な勢いに押され、0‐3で敗れ去った。90年代、そして21世紀に入ってから、低迷して2部リーグに降格することもあれば、チャンピオンズ・リーグやUEFAカップで上位に進出するなど、激しい雌伏の時を繰り返してきたが、トロフィーには手が届かなかった。
クラブの歴史が変わったのは2009‐10シーズン。創設されたばかりのヨーロッパリーグが、新たな飛躍への舞台となった。チャンピオンズ・リーグでグループリーグ3位に沈んでの出場ではあったが、ベスト32から連続する僅差の勝負をモノにし、フルアムとの決勝では現セレッソ大阪のディエゴ・フォルランの2ゴールで延長戦の末に勝利。62年同様、ドイツの地で優勝トロフィーを天に掲げた。
そして現時点で最後の欧州タイトル獲得は、11‐12シーズン。ディエゴ・シメオネがシーズン途中で監督に就任するとチームは上昇気流に乗り、ラダメル・ファルカオやジエゴの活躍によって、準決勝でバレンシア、決勝でアスレティック・ビルバオとの同国対決をいずれも制し、2度目の同カップ制覇を果たした。なおスーパーカップでは、10年はインテル、12年はチェルシーと、いずれも欧州王者を下している。
シメオネ監督に率いられたアトレティコは、その後も進化を続け、ついに今シーズン、18年ぶりの国内リーグ優勝を果たし、さらにチャンピオンズ・リーグ決勝でのダービーマッチを実現させた。その勢いは凄まじい限りである。
「デシマ」、すなわち“10回目”の欧州王者に向けてマドリーは並々ならぬ意気込みでリスボンでの一戦に臨んでくる。速さと巧さはアトレティコを大いに苦しめるだろう。しかし極限でのつばぜり合いなら、アトレティコが大いに得意とするところだ。乗り越えてきた試練の数では、マドリーに負けていない。
そしてモチベーションも十分だ。“初”の欧州制覇はクラブの悲願である。「デシマ」には「プリメーラ」で対抗だ!!