絶対的守護神の復帰も欧州制覇には欠かせない

国内で早々に優勝を決めれば、CLに向けて十分に準備できるはず、と考えるのは短絡的過ぎるようだ。マネジメント能力に長けたハインケス監督は、12-13シーズン(写真)以来の三冠達成にチームを導けるか!? (C) Getty Images
さて当のバイエルンにとっては、ここからどのように調子を保ち、さらに上げていくことができるかが、大きな課題である。
これまでの最速優勝は、ペップ・グアルディオラ政権時の2013-14シーズンに達成した27節。だがその時は、これで気が緩んで調子を落とし、勝負の時といわれる大事な4月にはボロボロになってしまった。結果、チャンピオンズ・リーグ(CL)では準決勝でレアル・マドリーに大敗を喫している。
そうした教訓を活かす上でも、ここからの心構えは大事なポイントになる。終盤戦に向けて、CBのマッツ・フンメルスもこう語っている。
「セルフモチベーションが、ひとつのポイントになる。どのポジションにも競争がある。メンバー入りするのも簡単ではない。誰もが自分の最高のパフォーマンスを出すために、あらゆる試合を大事にしたいと思っている」
それぞれの選手が、どれだけどん欲に一つひとつの試合へと向き合うことができるか。
そして、戦力の充実も大きなテーマになる。
注目は、GKマヌエル・ノイアーの復帰時期だろう。代役を務めるスベン・ウルライヒが好調で、チームの勝利にも貢献しているが、世界トップレベルのクラブと対峙することになるCLではやはり、ポジショニング、反応、判断と、全てにおいてワールドクラスのノイアーの存在が必須だ。
当初予定されていた後半戦開始からの復帰からはだいぶ遅れ、3月中の復帰が次の目標とされている。
気力と戦力の充実を図りながら、CL優勝の悲願を達成するためにも、まずは決勝トーナメント1回戦のベジクタシュ戦(現地時間2月20日にホームで第1レグ、3月14日敵地で第2レグ)に全力を尽くすこととなる。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
これまでの最速優勝は、ペップ・グアルディオラ政権時の2013-14シーズンに達成した27節。だがその時は、これで気が緩んで調子を落とし、勝負の時といわれる大事な4月にはボロボロになってしまった。結果、チャンピオンズ・リーグ(CL)では準決勝でレアル・マドリーに大敗を喫している。
そうした教訓を活かす上でも、ここからの心構えは大事なポイントになる。終盤戦に向けて、CBのマッツ・フンメルスもこう語っている。
「セルフモチベーションが、ひとつのポイントになる。どのポジションにも競争がある。メンバー入りするのも簡単ではない。誰もが自分の最高のパフォーマンスを出すために、あらゆる試合を大事にしたいと思っている」
それぞれの選手が、どれだけどん欲に一つひとつの試合へと向き合うことができるか。
そして、戦力の充実も大きなテーマになる。
注目は、GKマヌエル・ノイアーの復帰時期だろう。代役を務めるスベン・ウルライヒが好調で、チームの勝利にも貢献しているが、世界トップレベルのクラブと対峙することになるCLではやはり、ポジショニング、反応、判断と、全てにおいてワールドクラスのノイアーの存在が必須だ。
当初予定されていた後半戦開始からの復帰からはだいぶ遅れ、3月中の復帰が次の目標とされている。
気力と戦力の充実を図りながら、CL優勝の悲願を達成するためにも、まずは決勝トーナメント1回戦のベジクタシュ戦(現地時間2月20日にホームで第1レグ、3月14日敵地で第2レグ)に全力を尽くすこととなる。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。