【セルジオ越後の天国と地獄】ACLで簡単に負けるのは、誰も責任を問わないから

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年05月22日

日本サッカーを高みに導くのは、日本代表だけの役目ではない。

Jリーグ王者として臨んだサンフレッチェはまさかの逆転負け。出場チームは使命感をもっと強く持ってほしい。 (C) SOCCER DIGEST

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 毎年、指摘していることだけど、Jリーグ勢にとってACLは価値の見出しにくい大会だ。勝っても大きなメリットはなく、逆に負けても失うものがない。むしろ、Jリーグの戦いに支障をきたすぐらいなら、出ないほうがいいという考え方もあり、実際、「これで集中してJリーグを戦える」と言う選手までいるほどだ。
 
 国内でのACL人気も一向に高まらない。平日開催とはいえ、どのチームも集客には相変わらず苦労しているようだし、地上波でのテレビ中継もない。各クラブの熱心なサポーターならともかく、一般のサッカーファンが大会に触れる機会が少ないのが現状だ。
 もし本気でACLで優勝したいと考えていたなら、負けた責任を取らせるために、監督を代えるチームが出てきてもいいはずだ。でも、ラウンド16で敗れた3チームはともかく、グループステージで姿を消したマリノスの樋口監督ですら責任問題が問われることはなかった。
 
 日本代表がアジア予選で無様な形で敗退し、ワールドカップへの出場を逃したなら、ブーイングや怒号が飛び交うんじゃないかな。監督だって当然、更迭されるだろう。日本を代表して戦っているのは、ACLに出場するチームも、日本代表も同じ。国際大会での厳しさも同じなんだ。クラブも、選手も、サポーターも、ワールドカップ予選と同じレベルの覚悟で臨まなければ、勝ち抜けるはずがない。
 
 そう考えると、4チームも出場できるというのが、「日本を代表している」という責任を薄め、ACLに出場することの価値を下げているのかもしれない。日本サッカーを高みに導くのは日本代表だけの役目ではない。ACLに出場するチームもその使命を担わなければ、日本がアジアのトップに立ち、世界の強豪の仲間入りする日は訪れないよ。
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