「ファウルを取られたし、改善していかないといけない」

試合後、横浜の中澤と握手を交わす福岡の井原監督(写真左)。現役時代に“アジアの壁”と呼ばれた智将の下で、ウォン・ドゥジェはどんな成長を遂げるのだろうか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)
たった45分。確かに各所でバチバチと当たる本気度を感じ取れはしたが、あくまでもトレーニングマッチである。それでもJ1クラブと戦う経験を得られる、貴重な場であったことは疑いない。では、韓国の若者は自身のプレーをどう感じたのだろうか。
「横浜の攻撃がDFとDFの間でボールを受けることを意識していたようなので、それを狙って身体を寄せていた。上手くプレーできていたとは思うが、ファウルを取られてしまったシーンもあり、まだまだ改善していかないといけない」
これが守備の総括である。では、攻撃面は? この試合で福岡はビルドアップの段階でボールをボランチに必ず当てる組み立てをしていた。つまり、ウォン・ドゥジェと鈴木惇で構成された中盤の底2枚が生命線だったのだ。
「昨季はウェリントン選手(今オフに神戸へ移籍)が最前線にいて、ボールを収めてもらい、追い越すプレーが多かった。でも今季は後ろからパスをつなぐことを意識していて、トレーニングから積み上げている。
そんななかでボランチは攻撃のリズムを作る重要な位置。奪ってから縦パスを出せないとダメだし、サイドチェンジで展開を変えないといけない。試合ではそこを優先しているし、意識している。ただ、横浜戦では逆サイドにフィードをあまり通せなかったかな」
収穫と課題――。17年シーズンとはひと味違ったサッカーに取り組むなかで、両面が顔を出したということだろう。堅守を武器としながら、殻を破ろうとする井原アビスパで指揮官の薫陶を受けるウォン・ドゥジェはどう進化していくのか。
最後に、印象に残ったシーンを。ウォン・ドゥジェがFC東京から加入したユ・インスにショートパスを出した。すぐに横浜DFが寄せてくる。すぐにリターンがほしいウォン・ドゥジェは、韓国人同士でありながら、「もう一回! もう一回!」と日本語で叫んだ。
「日本でサッカーをしているので、韓国人同士のパス交換でも日本語で話すべきかなと。もう日本語で基本的なコミュニケーションは取れるし、去年より積極的にチームメイトと話したい。サッカーはコミュニケーンのスポーツですから」
才能に溺れぬ勤勉さ、そして明晰さ。18年シーズンのJ2では、ぜひ福岡を、そしてウォン・ドゥジェをチェックしてほしい。20年、そしてその先を見据えれば、知っておいて損はない選手のはずだ。
取材・文●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
「横浜の攻撃がDFとDFの間でボールを受けることを意識していたようなので、それを狙って身体を寄せていた。上手くプレーできていたとは思うが、ファウルを取られてしまったシーンもあり、まだまだ改善していかないといけない」
これが守備の総括である。では、攻撃面は? この試合で福岡はビルドアップの段階でボールをボランチに必ず当てる組み立てをしていた。つまり、ウォン・ドゥジェと鈴木惇で構成された中盤の底2枚が生命線だったのだ。
「昨季はウェリントン選手(今オフに神戸へ移籍)が最前線にいて、ボールを収めてもらい、追い越すプレーが多かった。でも今季は後ろからパスをつなぐことを意識していて、トレーニングから積み上げている。
そんななかでボランチは攻撃のリズムを作る重要な位置。奪ってから縦パスを出せないとダメだし、サイドチェンジで展開を変えないといけない。試合ではそこを優先しているし、意識している。ただ、横浜戦では逆サイドにフィードをあまり通せなかったかな」
収穫と課題――。17年シーズンとはひと味違ったサッカーに取り組むなかで、両面が顔を出したということだろう。堅守を武器としながら、殻を破ろうとする井原アビスパで指揮官の薫陶を受けるウォン・ドゥジェはどう進化していくのか。
最後に、印象に残ったシーンを。ウォン・ドゥジェがFC東京から加入したユ・インスにショートパスを出した。すぐに横浜DFが寄せてくる。すぐにリターンがほしいウォン・ドゥジェは、韓国人同士でありながら、「もう一回! もう一回!」と日本語で叫んだ。
「日本でサッカーをしているので、韓国人同士のパス交換でも日本語で話すべきかなと。もう日本語で基本的なコミュニケーションは取れるし、去年より積極的にチームメイトと話したい。サッカーはコミュニケーンのスポーツですから」
才能に溺れぬ勤勉さ、そして明晰さ。18年シーズンのJ2では、ぜひ福岡を、そしてウォン・ドゥジェをチェックしてほしい。20年、そしてその先を見据えれば、知っておいて損はない選手のはずだ。
取材・文●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)