王座奪還を目指す青森山田が始動!! 東北新人戦を制覇したタレント集団の現在地は?

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2018年01月29日

アピールを見せた一方でプロ注目アタッカーの出来は?

サイドハーフで存在感を見せた檀崎だが、中央でのプレーには改善の余地を残した。写真:平野貴也

画像を見る

 バスケス・バイロンは1年次から出場機会を得ていたが先発に定着できず、昨季は悩みに悩んだシーズンを送った。年末年始の全国高校選手権はメンバー外。中学生時代に所属した東松山ペレーニアのチームメートだった榎本樹(前橋育英/2年)が優勝を決める決勝点を挙げた姿に、「中学時代は、自分の方が点を決めていたけど、樹は負けず嫌いで、ミニゲームでもケンカしていた仲間。樹の活躍は感動したけど、悔しかった」と奮い立つものがあった。

 今大会では、右サイドやインサイドハーフでプレー。チームの連係力がない中、個人で巧みなドリブルとラストパスからチャンスを量産して力を見せつけ、得点やPK獲得などで勝利に貢献。新しいシーズンのエース候補に名乗りを挙げる活躍を見せていた。

 そのほかでも飯田が好プレーを披露。昨季の後半、正GK坪歩夢が負傷離脱した間に活躍して定位置を獲得しかけていた。しかし、高円宮杯U-18プレミアリーグEAST最終節は、自らのミスで失点を招き、試合途中で交代。同時に坪に定位置を奪い返された悔しさを抱えており、今季こそ躍進のシーズンとしようという意気込みをプレーで示していた。
 
 一方、チームプレーに磨きをかける努力を見せたが、自身の特徴を生かしきれなかった選手もいる。それが檀崎だ。サイド起用では持ち前のスピードを生かしたアタックで決定的なラストパスを繰り出す場面もあったが、インサイドハーフに挑戦した時間帯は、周りを生かすことを考えるあまり、ゴールに向かうプレーは鳴りを潜めた。

 1回戦の新屋戦では「まだまだ、全然ダメ。中に入っても(役割が変わると言うより)仕事量が増えただけなので、もっと仕掛けないとダメ」と厳しい自己評価を下し、大会を優勝した後も自身のプレーに関しては納得した表情を見せなかった。しかし、サイドアタッカーとしての能力は昨季に証明済みで、ポテンシャルの高さは疑いようがない。インサイド起用も含め、今季は、エースで10番という大きな期待と重圧への挑戦で一皮むけるつもりだ。
 
 3人以外にも中盤の底から左足のパスと前の圧力を披露したMF天笠泰輝(2年)や、相手のプレッシャーをかわして攻撃につなげた左DF豊島基矢(2年)らも実力をアピールしたが、チーム内の競争が激しくなるのは、まだこれからだ。

 黒田監督も「4、5人代わるかもしれない」と話した。それは195センチの長身でFWでもDFでもプレーできる三國ケネディエブス(2年)ら、負傷離脱中の選手も春に向けて続々と戻って来る見込みだからだ。U-15日本代表歴を持つ藤原優大ら青森山田中の主軸も新1年生として入部予定。昨季はこの大会の後にFW中村駿太(山形)が柏レイソルU-18から加入したように同様のケースが出てくれば、チーム力がさらに高まることは間違いない。だからこそ、現時点での東北制覇は、くすぶり続けた世代の逆襲の第一歩としては大きい。日本一の奪還に向け、東北の雄は力強く動き出した。

取材・文●平野貴也(フリーライター)
【関連記事】
【ゼロックス杯】高校選抜とU-18J選抜の参加選手が決定! 選手権Vの前橋育英から最多5名
衝撃の2発だけじゃない! 驚異の16歳・久保建英が見せた圧巻の成長ぶり
【選手権】キャプテン翼のツインシュートを完全再現!青森山田の2枚看板が放った衝撃弾の真相
「びびっていても仕方ない」青森山田から山形へ進む中村駿太の信念
久保建英は、具体的に何が凄いのか? 今さら聞けない逸材の真価とは

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ