【U-21総括】森保ジャパンが描いた強化プランと誤算から生まれた注目の人材は?

カテゴリ:日本代表

川端暁彦

2018年01月24日

U-20W組に危機感をもたらしたのはタイ遠征組の躍動だ!

ボランチに入ったタイ遠征組の井上(手前)と神谷(奥)。森保戦術の中核を担い、存在感を発揮した。(C)Getty Images

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 タイ遠征組の中でシンボリックな選手は、中盤の中央を担った神谷優太(湘南→愛媛)と井上潮音(東京V)のふたりだろう。かつて、東京Vユースで神谷がアタッカーで井上が舵取り役だった両名だが、このウインターシリーズでは神谷が労働をいとわぬ守備的MFとして奮戦し、井上がボールに絡みながら高い位置を取って攻撃を作るという役割分担でよく機能。後方からのビルドアップを重んじる森保システムの要として機能することとなった。
 
 3バックのリベロを務めた188センチの長身DF立田悠悟(清水)も、そのポテンシャルをあらためて証明してみせた。中山と冨安のふたりを欠いた最終ラインで「あのふたりがいないから出られているのだと思っている」と謙虚に語りつつも、試合を重ねるごとに自信をつけてクオリティを上げてみせた。0-4と惨敗した準々決勝のウズベキスタン戦は立田自身の致命的なミスもあったが、あのレベルの試合を体感できたのも彼の今後にとってはきっとプラスだろう。
 
 逆にU-20ワールドカップで主軸として戦ってきた選手たちは軒並み「危機感」を強調していたのも印象的だ。椅子が保証されていない、ここから逆転を狙う選手たちが多々いるのだという実感は、理屈としては当然分かっていたことであっても、肌で感じるモノがあればまた違ってくるもの。そういう効果を上げるシリーズとなったのは間違いない。
 
 代表チームの強化というのは時間も限られていて、しかも試合は一発勝負ばかりなので、思わぬ方向に転がりやすい。その中で災い転じて福と成せるかどうかが肝心だ。思うような選手招集ができなかったことでかえってポジティブな刺激が生まれ、壊滅的な惨敗を受けて新たなモチベーションと危機感を得ることができた。
 
 2年半後に迎える東京の夏、そう振り返ることができるような成長をチームと選手が遂げてくれることを強く期待している。

取材・文●川端暁彦(フリーライター)
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