W杯出場を決めた「なでしこ」。真の戦いはこれから

カテゴリ:日本代表

早草紀子

2014年05月19日

アジアカップ初制覇へ、新戦力がチームを活性化できるか。

豪州戦では、エース大儀見の存在感が際立った。決勝トーナメントでは不在となるが、彼女に代わるヒロインは現われるか? (C) Getty Images

画像を見る

 アジアは実力差が大きいため、第2戦以降の勝利は織り込み済み。新戦力としてテストされる選手たちにとっても、このグループリーグはワールドカップメンバーに名乗りを上げるためのビッグチャンスの場だ。決勝トーナメント以降に出番があれば、可能性は広がる。試合終了後もピッチ上の選手たちが淡々とした表情だったのは、彼女たちの意識はすでにもう一つ先のステップに進んでいるからだ。
 
 キャプテンの宮間はそんな位置づけの試合前の円陣で「みんなでワールドカップ(出場)決めるよ!」と声をかけた。ベンチからは常に大声を出し続け、終了後には彼女の声はかすれていた。
 
「同じピッチで戦ってるつもりで声をかけていたので……」(宮間)。
 若手の台頭を歓迎し、その自立を促そうとはするが、突き放しはしない。ともすれば消化試合になりかねない試合を、宮間は意味あるものにしようとしていた。すべてはこのアジアカップの決勝トーナメントを勝ち抜くチームを作るため。圧勝でワールドカップ出場権を得ても楽観はしていない。「ここからが本当の勝負」(宮間)とより厳しい表情を見せた。
 
「何度も挑戦していますが、いつも最後のところで残念な結果に終わってしまう。難しい戦いの中でもしっかり勝って行きたい」と決意を新たにしたのは澤。彼女たちベテランにとって、アジアカップ制覇は世界一の座を奪う前から持ち続けている悲願だ。
 
 ここからはわずかなミスが命取りとなるノックアウト戦。戦力となる者だけがそのピッチに立つことが許される。見上げ続けてきた頂点に立った時、ようやくワールドカップへの扉を開いた喜びも湧き上がってくるのではないだろうか。
 
取材・文:早草紀子
 
【関連記事】
なでしこジャパン 悲願の初優勝なるか!? アジアカップ展望
アジアカップ初制覇へ、「なでしこ」の進化の過程
なでしこの挑戦――名門アーセナルの再建を担う大野と近賀
タイプ別に見る“なでしこ”の後継者たち―東京五輪の金メダルを託されるU-17女子代表の逸材
世界一に挑むリトルなでしこ。日本女子サッカーはなぜ強い?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト J名鑑の決定版!
    2月7日発売
    2025 J1&J2&J3 選手名鑑
    60クラブを完全収録!
    データ満載のNo.1名鑑
    ハンディ版も同時発売!
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト 超名門を大特集!
    3月10日発売
    伝統クラブが迎えた変革の時
    新生・鹿島アントラーズ
    徹底解剖
    優勝請負人招聘で復権へ
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト スペシャル企画!
    3月6日発売
    世界を驚愕・熱狂させた
    プロビンス・レジェンド名鑑
    ギグス、モドリッチ、ネドベド…
    華麗なる中小国の英雄たち
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ