アルゼンチンの名門クラブで研鑽を積む16歳の大器、ワシノ・ハルキとは何者か

カテゴリ:海外日本人

加部 究

2018年01月15日

名門高校のレギュラーたちを驚かせたその技巧

旅立ちから1年、アルゼンチンの名門クラブで充実した日々を送る。すっかり馴染み、チームメイトたちとも打ち解けた。

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 父の貴司さんは、市立船橋高サッカー部で活躍し、現在も「ファンタジスタサッカースクール」で週1回(木曜日)の指導をしている。だが小学生時代の晴貴は、父にサッカーをやらされているだけで、本人の言葉を借りれば、「カス」だったそうだ。
 
「興味も沸かないし、試合を観ることもなかった。きっと小学生時代の僕を知っている人なら、まだサッカーを続けていることに驚いているでしょうね」
 
 転機は中学時代に訪れた。埼玉県草加市にある「明光サッカースクール」に通い始め、ブラジルでプレー経験を持つ檜垣裕志コーチから徹底して利き足にこだわった指導を受けて開眼する。
 
「自分でもびっくりするくらい変わりました。それまではどっちが利き足なんて気にもしていなかった。でも利き足の左を意識して、右を使わないようにしてから、まったくボールも奪われなくなった。この頃からは、とにかくどうすれば巧くなるのか、よく考えるようになり、もう中学を卒業したら海外に出ようと決めていました」
 
 サッカーに自発的に取り組み、レフティーを自覚してプレーをするようになり、晴貴は急変貌を遂げていく。片道1時間半をかけて、多い時には週に5日間もスクールに通い、帰宅後も父とボールを蹴る日々を送るようになった。
 
「大変でしたよ。だから学校では爆睡。ある時、教室で目を覚ましたら誰もいない。移動教室なのに、先生もクラスメートも起こさなかったんですよ」

 そんなサッカーに浸り切る日々に充足していた。
 
「だって僕にはやりたいことがあって、そこに向かっている。やりたいことも見つからないのに、ただ進学するよりずっといい」
 
 アルゼンチンへの橋渡しをした四方浩文氏は、すでに立っている姿を見た瞬間に「大器だ」と直感したという。
 
「いままでJクラブのアカデミーや名門高校の選手たちを現地のクラブに送った経験がありますが、晴貴は別次元でした。ある名門高校のレギュラーチームとプレーをさせたら、まだ中学生だったのに全然ボールを奪われない。高校生たちが驚いていました」
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