新天地では熾烈なレギュラー争いに身を置くことになるが、ポジションを奪うために確かな自信を覗かせるのは、プロ７年目を迎える犬飼もこれまでに様々な経験をし、それなりの実績を積んできた自負があるからだ。
 
「僕はJ２でも戦ったし、昇格も降格も味わっている。常勝軍団の鹿島にいる選手とは、ある意味、違う経験をしてきたと思います。でもそれは活かせるはずだし、そこで学んできたからこそ、自分が今ここでチャレンジできる覚悟が持てた」
 
　ハリルジャパンの一員として昨年末のE-1選手権に参加した昌子、植田は合流が遅れており、まだ同じピッチに立ってトレーニングしていないが、「一緒にやれるのが楽しみ。近くでプレーできるのは自分にとってメリット」とあくまでもポジティブだ。
 
　同じく日本代表の金崎夢生や土居聖真、あるいはペドロ・ジュニオールといった攻撃の選手とは今後、紅白戦などで対峙することになるが、それもまた楽しみのひとつだ。
 
「環境やチームメイトに関しては、何も言うことはない。あとは自分次第です」
 
　正直、不安がないわけではないが、「やるしかない」と腹をくくっている。CBとしてのさらなる成長と、その先に見据える日本代表入りに向けて、犬飼は大きな希望を抱き、心を弾ませている。
 
取材・文●広島由寛（サッカーダイジェスト編集部）