INAC神戸に加入する韓国代表のビーナス! イ・ミナの知られざるエピソード

カテゴリ:連載・コラム

慎武宏

2018年01月06日

イ・ミナの評価が変わり始めたのが、2015年の東アジアカップからだった。

テクニックに長けたイ・ミナは、日本のサッカーにも合いそうだ。(C)Getty Images

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「彼女はワンタッチでのボール扱いを得意とし、スペースを探し飛び出す嗅覚にも優れた韓国女子サッカー界では珍しいテクニシャンタイプですが、韓国女子サッカーはとにかくよく動き、がむしゃらに守備をする選手を重宝しがち。サイズが小さいイ・ミナを好まない指導者も多かったし、起用されても守備の欠点ばかりを指摘され適切な評価がなされなかった時期がありました」
 
 そんなイ・ミナの評価が変わり始めたのが、2015年の東アジアカップからだったという。それまでとは見違えるような豊富な運動量で存在感を示し、韓国代表に返り咲いた。
 
「一見すると可愛らしく、テクニシャンという印象からクールな性格にも見えますが、ああ見えてかなり負けん気が強いと言いますか、根性が据わっているんです。そうした気の強さも、実は彼女の魅力だと思います」(リュ・チョン記者)
 
 ただ、普段はとても明るく愛嬌があり、メディアとの関係も良好。「今どきの女の子らしくSNSなどでの自己発信にも積極的で、ファンとの交流やセルフプロデュースにも長けている選手」(リュ・チョン記者)だという。
 
 その一方で、そのスター性ゆえに、時としてやっかみの対象になってきたのも事実だ。
 
 それを物語るエピソードのひとつが、2016年4月にFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が訪韓した時のことである。KFAはイ・ミナに花束贈呈役を任せたが、「ふたりにどんな関係があるのか」「イ・ミナが韓国を代表する世界的な選手なのか」などの皮肉の声が起こったこともあった。
 
 それだけにINAC神戸でも結果を残せなければ、何かと雑音が聞こえてきそうだが、リュ・チョン記者はなでしこリーグでも活躍できるのではいなかと期待を寄せる。
 
「先にも述べたように韓国女子サッカーはフィジカル重視。それよりも日本のパスサッカーのほうが彼女には合っていると思いますし、彼女に巡ってくるチャンスも多いはず。WKリーグではパワープレーを仕掛けられ、マークされることも多かったですが、それでも昨季は14ゴール・10アシストを記録している。得点ランキングに至っては2位です。つまり、チャンスも作れるし、決定力もある。レベルの高いINAC神戸のメンバーたちと切磋琢磨することで、イ・ミナ自身もレベルアップしていくのではないでしょうか」
 
 期待と注目を集めていよいよ日本にやって来る韓国女子サッカー界のアイドル。その動向には当分の間、関心が集まりそうだ。

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取材・文●慎武宏(スポーツライター)
 
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。
 
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