ブラジル発マネー・トピック――W杯とお金の話vol.2

カテゴリ:国際大会

下薗昌記

2014年05月15日

優勝を義務付けられるセレソン。監督のギャラ、スポンサー料は超破格

ブラジル国内への経済波及効果は1兆円以上と試算されている。航空券をはじめ、大会期間中の値上がり率も著しい。 (C) Getty Images

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その6 ブラジルの経済効果――ブラジルのGDPに与える経済効果は1兆3800億円。
 ワールドカップと五輪というビッグイベントが控えるブラジル。ブラジル大会が国内総生産(GDP)に与える経済効果は300億レアル(約1兆3800億円)と試算されている。ブラジル観光省が明らかにしたもので、昨年のコンフェデ杯の経済効果97億レアル(4500億円)を大きく上回ると見られる。雇用面だけでも、ワールドカップ関連で30万人が恩恵を受けると予想され、ブラジル各地に経済効果が波及しそうだ。
 
その7 スコラーリ監督のギャラ――大統領以上の重責に月5000万円。
 歴代のワールドカップ優勝国で、自国開催で栄冠を勝ち取っていないのはブラジルとスペインの2か国のみ。二度目の自国開催で優勝が義務づけられているセレソンを率いるのはルイス・フェリペ・スコラーリ監督で、月々のギャラは推定110万レアル(5000万円)。年俸に換算すると約6億円。大統領より重責と言われるセレソンの指揮官としては、決して高いとは言えないだろう。
 
 

地元開催となるブラジル代表への期待は凄まじい。多くの有名企業がスポンサーに名を連ねた。 (C) Getty Images

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その8 航空券代――開幕日のサンパウロ―リオ間の往復便は11万円。
 ブラジルの二大都市、サンパウロとリオデジャネイロ間は、日本で言えば東京と大阪に近い距離。ポンテ・アエレア(空の橋)と呼ばれる定期便は通常なら240レアル(約1万1000円)程度で、庶民の気軽な足のひとつだが、開幕戦がある6月12日の往復便は2400レアル(約11万円)と通常の10倍となる値段設定。もっともこれは各地で見られる傾向で、大会中は各地で増便が予定されているものの、空の移動は高くつきそうだ。
 
その9 ブラジル代表のスポンサー料――南ア大会から約7割増しの145億円
 セレソンはブラジルサッカー連盟にとって「金のなる木」だが、ブラジル大会を控えた14年のスポンサー料は24社から計3億2400万レアル(約145億円)を集めた。これはブラジルサッカー連盟にとって過去最高額。南アフリカ大会当時のスポンサー料よりも67パーセント増加した。名を連ねるのはイタウー銀行や電話会社のヴィヴォ、航空会社のゴルなど錚々たる企業ばかり。好調なブラジル経済を象徴している数字だ。
 
文:下薗昌記(サッカーライター)
(『週刊サッカーダイジェスト』2014年5月13日号より抜粋)
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