アル・ジャジーラも国内リーグでは同じ課題に直面していた。
右サイドバックで後半途中までプレーした遠藤航は「手詰まり」という言葉をハッキリと口にしていた。
「このフォーメーションの良さは、組織的な守備からのカウンターだと思う。ただ、先制された試合の難しさは全員が感じていて、どう崩せばいいのかというところについては、ちょっと手詰まりだと思う」
つまり、相手がボールを持つ展開にストロングポイントが出やすいシステムであるのに、アル・ジャジーラ戦ではボールを持ちに行くという矛盾した状態がピッチ内にあったということだ。浦和は前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指揮下では、圧倒的なボールポゼッションで相手を敵陣に押し込み、それでなお崩して得点するというところに注力した。それが堀監督にスイッチしてから不安定に過ぎた守備に力を割くようになったものの、今度はポゼッションした試合が苦手になっている。
それであれば、相手に関係なく割り切った守備からスタートする選択肢があったのか。武藤はその判断の難しさを話している。
「守備的にやろうと思えば、僕たちは前からプレスに行かず、サイドの選手は中に入らなければ立ち位置が崩れずにカウンターは食らわない。それでも、攻撃的に行くと決めたなら、そこで得点を奪って勝てなかったことが力のなさということになってしまう。ACLの準決勝からは相手の力を考えて、割り切って守備的に戦うと共有して結果は出たけど、ボールを持って攻め込むスタイルとポジショニングを取った時にゴールを取りきれないというところが、Jリーグに続いて出てしまった」
敵将のテン・カテ監督は、試合後の記者会見でアル・ジャジーラはリーグ戦で浦和のような立場にあると話した。ボールを保持するチームが、それを生かして勝利することまでつなげることの難しさを表現している。
「浦和はよくオーガナイズされていて、ボールをよく動かした。私たちもリーグでは同じようなプレーをしているが、今日の浦和のようにチャンスを逃してしまうことがある。相手には数回のチャンスしか訪れないが、試合を難しくしてしまう。浦和とリーグ戦の私たちは、同じ問題を抱えている」
浦和はボールポゼッションの罠にハマる形でこの試合を落とした。逆の立場で結果を出しているからこそ、その怖さを理解していながら、それでもなおカウンターに沈んだ。残る5位決定戦で、浦和はどのように振る舞うのか。現状のストロングポイントを最大限に生かすのか、それとも理想に向かった試合をしてカウンターの恐怖と戦うのか――。
それは、チームとして何を重要に考えて、その試合をどのような位置づけのものと捉えるのかを示すものになる。
「このフォーメーションの良さは、組織的な守備からのカウンターだと思う。ただ、先制された試合の難しさは全員が感じていて、どう崩せばいいのかというところについては、ちょっと手詰まりだと思う」
つまり、相手がボールを持つ展開にストロングポイントが出やすいシステムであるのに、アル・ジャジーラ戦ではボールを持ちに行くという矛盾した状態がピッチ内にあったということだ。浦和は前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指揮下では、圧倒的なボールポゼッションで相手を敵陣に押し込み、それでなお崩して得点するというところに注力した。それが堀監督にスイッチしてから不安定に過ぎた守備に力を割くようになったものの、今度はポゼッションした試合が苦手になっている。
それであれば、相手に関係なく割り切った守備からスタートする選択肢があったのか。武藤はその判断の難しさを話している。
「守備的にやろうと思えば、僕たちは前からプレスに行かず、サイドの選手は中に入らなければ立ち位置が崩れずにカウンターは食らわない。それでも、攻撃的に行くと決めたなら、そこで得点を奪って勝てなかったことが力のなさということになってしまう。ACLの準決勝からは相手の力を考えて、割り切って守備的に戦うと共有して結果は出たけど、ボールを持って攻め込むスタイルとポジショニングを取った時にゴールを取りきれないというところが、Jリーグに続いて出てしまった」
敵将のテン・カテ監督は、試合後の記者会見でアル・ジャジーラはリーグ戦で浦和のような立場にあると話した。ボールを保持するチームが、それを生かして勝利することまでつなげることの難しさを表現している。
「浦和はよくオーガナイズされていて、ボールをよく動かした。私たちもリーグでは同じようなプレーをしているが、今日の浦和のようにチャンスを逃してしまうことがある。相手には数回のチャンスしか訪れないが、試合を難しくしてしまう。浦和とリーグ戦の私たちは、同じ問題を抱えている」
浦和はボールポゼッションの罠にハマる形でこの試合を落とした。逆の立場で結果を出しているからこそ、その怖さを理解していながら、それでもなおカウンターに沈んだ。残る5位決定戦で、浦和はどのように振る舞うのか。現状のストロングポイントを最大限に生かすのか、それとも理想に向かった試合をしてカウンターの恐怖と戦うのか――。
それは、チームとして何を重要に考えて、その試合をどのような位置づけのものと捉えるのかを示すものになる。