思った以上の成果が出ていないJの育成…
スカウティングと育成の最適解はない。
それが現実なのだろう。とりわけ、14~16歳の選手の能力を推し量り、正しく育てることは至難の業である。
今や世界的な選手になったフランス代表FWのアントワーヌ・グリエーズマンだが、13歳まで、母国フランスでは歯牙にもかけられない存在だった。
「背が低いし、華奢すぎる」
信じられないことだが、国内ではどのクラブからも見向きもされていない。スペインのレアル・ソシエダが拾ってくれなかったら、彼はプロになれなかったかもしれない。グリエーズマンのような偉大な才能でも、埋もれていた可能性があるのだ。
日本でも、育成環境は10年前、20年前より格段に向上したはずだが、黄金世代のような逸材の台頭は見られない。むしろ、育成環境では劣る高体連の方が、相変わらず個性的な人材を輩出している。
直近の代表メンバーでも、高体連出身者の方が多いというのは、考え方によっては深刻である。地域トップクラスの人材を集められるはずのJリーグのジュニアユースやユースが、思った以上の成果を出せていない。
とはいえ前述した通り、スカウティングと育成には正解がないだけに、これは難しい課題である。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
それが現実なのだろう。とりわけ、14~16歳の選手の能力を推し量り、正しく育てることは至難の業である。
今や世界的な選手になったフランス代表FWのアントワーヌ・グリエーズマンだが、13歳まで、母国フランスでは歯牙にもかけられない存在だった。
「背が低いし、華奢すぎる」
信じられないことだが、国内ではどのクラブからも見向きもされていない。スペインのレアル・ソシエダが拾ってくれなかったら、彼はプロになれなかったかもしれない。グリエーズマンのような偉大な才能でも、埋もれていた可能性があるのだ。
日本でも、育成環境は10年前、20年前より格段に向上したはずだが、黄金世代のような逸材の台頭は見られない。むしろ、育成環境では劣る高体連の方が、相変わらず個性的な人材を輩出している。
直近の代表メンバーでも、高体連出身者の方が多いというのは、考え方によっては深刻である。地域トップクラスの人材を集められるはずのJリーグのジュニアユースやユースが、思った以上の成果を出せていない。
とはいえ前述した通り、スカウティングと育成には正解がないだけに、これは難しい課題である。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。