現役を続けながら、何かを伝え、残したい。
坪井は自身に課せられた伝道師たる使命を意識するともに、曺監督のもとで成長したいという純粋な想いを抱き、湘南にやってきた。
“何かを伝えたい”この想いに呼応した選手がいる。2020年の東京五輪で活躍が期待されるDF杉岡大暉だ。
「リスペクトですか? みんなそうでしょう」と笑った19歳にとって、坪井は憧れの存在。
06年ドイツ・ワールドカップ。小学生の杉岡はピッチを駆ける坪井のプレーを食い入るように見た。そして、奇しくも10年後、チームメイトとなった。
「準備もプレーも普段の姿勢もすごい人。一緒にプレーして、周りに安心感を与えるコーチングは参考になった」
ルーキーながら、杉岡がリーグ37試合に出場できたのは坪井の影響が少なくない。
井原を教科書にした坪井。その坪井を手本にする杉岡。時を越えたDFの系譜が紡がれようとしている。
「光栄ですね。そのラインに乗れるよう頑張りたい」杉岡は細い目をさらに細くした。
――◆――◆――
今月22日、坪井の退団がクラブから正式に発表された。果たして現役を続けるのか。
この問いに坪井は「ナイショです」とニヤリ。周囲を煙に巻いたが、現役続行の意志は感じられた。
「指導者になって何かを伝えられるかもしれない。けど、現役を続けながら、選手の間近で、そして身近で何かを伝え、残すことも重要かと思う」
何かを伝え、残したい――。
これはJリーグで、アジアで、世界で戦った歴戦の勇士の持つ本能なのかもしれない。
あの日、「じゃあ、また」と交わした握手。次の機会はどこかのグラウンドで、必ず。
取材・文●佐藤亮太(レッズプレス!!)
“何かを伝えたい”この想いに呼応した選手がいる。2020年の東京五輪で活躍が期待されるDF杉岡大暉だ。
「リスペクトですか? みんなそうでしょう」と笑った19歳にとって、坪井は憧れの存在。
06年ドイツ・ワールドカップ。小学生の杉岡はピッチを駆ける坪井のプレーを食い入るように見た。そして、奇しくも10年後、チームメイトとなった。
「準備もプレーも普段の姿勢もすごい人。一緒にプレーして、周りに安心感を与えるコーチングは参考になった」
ルーキーながら、杉岡がリーグ37試合に出場できたのは坪井の影響が少なくない。
井原を教科書にした坪井。その坪井を手本にする杉岡。時を越えたDFの系譜が紡がれようとしている。
「光栄ですね。そのラインに乗れるよう頑張りたい」杉岡は細い目をさらに細くした。
――◆――◆――
今月22日、坪井の退団がクラブから正式に発表された。果たして現役を続けるのか。
この問いに坪井は「ナイショです」とニヤリ。周囲を煙に巻いたが、現役続行の意志は感じられた。
「指導者になって何かを伝えられるかもしれない。けど、現役を続けながら、選手の間近で、そして身近で何かを伝え、残すことも重要かと思う」
何かを伝え、残したい――。
これはJリーグで、アジアで、世界で戦った歴戦の勇士の持つ本能なのかもしれない。
あの日、「じゃあ、また」と交わした握手。次の機会はどこかのグラウンドで、必ず。
取材・文●佐藤亮太(レッズプレス!!)