Jで現役続行を希望!“語らない男”ミキッチは広島での9年で何をもたらしたのか?

カテゴリ:Jリーグ

中野和也

2017年11月18日

「どんなにマークされても常に勝負を仕掛けていた」(森﨑和幸)

右サイドでひとたびボールを持てば、常に勝負を仕掛ける。そのアグレッシブな姿勢はファンを魅了した。写真:サッカーダイジェスト

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 ディナモ・ザグレブでの彼は右サイドのレギュラーとして3年連続のリーグ・カップ二冠に大きく貢献していた。だが、自分自身の中で「クロアチアではもうやるべきことはない」という気持ちも浮かんできた。そういう時に届いた広島からのオファー。「日本ではほとんどの人が英語をしゃべると思っていた」と語るほど日本について何も知らなかったのに、彼は全く新しい文化の国でプレーすることを選択した。「チャレンジ」という言葉を彼は口にしたが、ミキッチを突き動かした本当の理由は、おそらく彼自身にも分からない。運命が導いたとしか、言えない。
 
 J1において9年連続同一クラブでプレーした外国籍選手はミキッチだけ。その間、常にトップレベルでプレーし、3度の優勝をもたらしたことも偉大である。だが彼の本当の素晴らしさは、そこだけではない。
 
「もし森崎和幸がディナモ・ザグレブでプレーしていたら、さらなる欧州のビッグクラブに1000万ユーロ(約13億円)で移籍しただろう」と称賛された男は、ミキッチの素晴らしさをこう讃える。
 
「どんなにマークされても常に勝負を仕掛けていたし、ミカにボールを預けることでラインを上げることができた。ただ、ミカの凄さはどんな時も練習から100%の力を発揮して、常に戦っていたこと。今のように(4人目の外国人選手扱いで)試合に出られなかったとしても、それは変わらない。若手はもちろん、すべての選手の模範です」
 
 彼は広島の選手たちにプロとしての振る舞いやあり方を伝授した。パッサーである青山敏弘に対して常にパスを求めて走る。どんなボールに対しても食らいつき、ギリギリで追いついて決定機をつくることで、青山にチャレンジする大切さを教えた。同じサイドでプレーした塩谷司(アル・アイン)に対しては、コンビネーションの重要性をプレーで示し、いくつものチャンスを2人でつくった。
 
「自分の良さを引き出してもらったし、いい思い出もたくさんある。ミカ以上にやりやすい人は、なかなかいない」と超攻撃的ストッパーは語る。トレーニングでは対面する若手DFに対して100%以上の力で対峙。ミキッチとの対決の中で、柏好文や山岸智(大分)はスキルを磨き、高橋壮也は戦いを挑むことの大切さを教えられた。
 
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