「広島というチームがあるからこそ、僕も頑張れている」(槙野)

柏木はユース出身者として「残り試合をお互いに全部勝つ気持ちで戦っていけたらいいな」と想いを吐露した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

広島県出身の槙野。「広島を離れて何年経っても、僕のなかで想うところはたくさんある」と言う。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)
[J1リーグ31節]広島 0-1 浦和/10月29日(日)/Eスタ
J1リーグ31節、広島は浦和をホームで迎え撃った。試合開始前の順位はJ2降格圏の16位。15位の甲府とは勝点差1、14位の清水とは同3だったため、勝利すれば一気に危機を脱するチャンスだった。
だが、長澤和輝の一撃に沈んだ。遠藤航が右サイドから上げたクロスにフリーで合わされて、守備は決壊。攻めてはチャンスを作りながらも決定力を欠き、無得点に抑えられてしまった。勝点1すら積み上げられなかった。
だが、同日に甲府も神戸に敗れて勝点差に変化なし。清水はFC東京と引き分けて少し遠くなったものの、残り3試合での逆転も決して夢物語ではない(以下に31節終了時点での順位表を載せておく)。
順位 チーム 勝点(成績)
13位 札幌 34(9勝7分15敗/33得点・45失点)
14位 清水 31(7勝10分14敗/31得点・48失点)
15位 甲府 28(6勝10分15敗/22得点・38失点)
16位 広島 27(6勝9分16敗/28得点・46失点)
17位 大宮 24(5勝9分17敗/28得点・52失点)
18位 新潟 19(4勝7分20敗/23得点・58失点)
対戦相手だった浦和には苦境に立たされる広島を気にかけ、ミックスゾーンでコメントする選手たちがいた。柏木陽介、槙野智章、西川周作。スタメンで出場した、広島を古巣とする3人だ。
広島ユースから2006年に昇格を果たし、09年まで在籍した柏木は「正直、サンフレッチェがJ2に降格するのは本当に嫌」だと言う。
「一時代を築いているチームだし、残り試合を頑張ってほしい。今日は僕らも勝たなきゃいけない試合だったけど、残り試合をお互いに全部勝つ気持ちで戦っていけたらいいなと思う」
柏木同様に広島ユース出身で、さらにトップチーム昇格のシーズンも一緒。06年から10年まで紫のユニホームを身に纏っていた槙野も「(広島には)J1に残ってほしい」と気持ちを吐露した。
「良い時も、悪い時も経験したし、スタッフを含めて選手も知り合いが多い。スタジアムだって、街だってよく知っている。広島を離れて何年経っても、僕のなかで想うところはたくさんある。
広島というチームがあるからこそ、僕も頑張れている。J1の舞台で質の高いサッカーを浦和と広島が繰り広げることが、Jリーグを盛り上げる要素になると思うし、そういう対戦カードにしていきたい」
最後に10年に大分から加入し、13年まで守護神を務めた西川はどうか。他のふたりと同じく、「今でも思い入れがある」という。
「対戦相手には仲間がたくさんいたけど、プロの世界なので今日は勝ちにこだわらないといけなかった。広島はJ1に必ず残ってくれると信じているので、今季の残り3試合を応援したい」
様々な事情で広島を離れていった3人。それでも、古巣に対する想いは今でも薄らいでいない。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
J1リーグ31節、広島は浦和をホームで迎え撃った。試合開始前の順位はJ2降格圏の16位。15位の甲府とは勝点差1、14位の清水とは同3だったため、勝利すれば一気に危機を脱するチャンスだった。
だが、長澤和輝の一撃に沈んだ。遠藤航が右サイドから上げたクロスにフリーで合わされて、守備は決壊。攻めてはチャンスを作りながらも決定力を欠き、無得点に抑えられてしまった。勝点1すら積み上げられなかった。
だが、同日に甲府も神戸に敗れて勝点差に変化なし。清水はFC東京と引き分けて少し遠くなったものの、残り3試合での逆転も決して夢物語ではない(以下に31節終了時点での順位表を載せておく)。
順位 チーム 勝点(成績)
13位 札幌 34(9勝7分15敗/33得点・45失点)
14位 清水 31(7勝10分14敗/31得点・48失点)
15位 甲府 28(6勝10分15敗/22得点・38失点)
16位 広島 27(6勝9分16敗/28得点・46失点)
17位 大宮 24(5勝9分17敗/28得点・52失点)
18位 新潟 19(4勝7分20敗/23得点・58失点)
対戦相手だった浦和には苦境に立たされる広島を気にかけ、ミックスゾーンでコメントする選手たちがいた。柏木陽介、槙野智章、西川周作。スタメンで出場した、広島を古巣とする3人だ。
広島ユースから2006年に昇格を果たし、09年まで在籍した柏木は「正直、サンフレッチェがJ2に降格するのは本当に嫌」だと言う。
「一時代を築いているチームだし、残り試合を頑張ってほしい。今日は僕らも勝たなきゃいけない試合だったけど、残り試合をお互いに全部勝つ気持ちで戦っていけたらいいなと思う」
柏木同様に広島ユース出身で、さらにトップチーム昇格のシーズンも一緒。06年から10年まで紫のユニホームを身に纏っていた槙野も「(広島には)J1に残ってほしい」と気持ちを吐露した。
「良い時も、悪い時も経験したし、スタッフを含めて選手も知り合いが多い。スタジアムだって、街だってよく知っている。広島を離れて何年経っても、僕のなかで想うところはたくさんある。
広島というチームがあるからこそ、僕も頑張れている。J1の舞台で質の高いサッカーを浦和と広島が繰り広げることが、Jリーグを盛り上げる要素になると思うし、そういう対戦カードにしていきたい」
最後に10年に大分から加入し、13年まで守護神を務めた西川はどうか。他のふたりと同じく、「今でも思い入れがある」という。
「対戦相手には仲間がたくさんいたけど、プロの世界なので今日は勝ちにこだわらないといけなかった。広島はJ1に必ず残ってくれると信じているので、今季の残り3試合を応援したい」
様々な事情で広島を離れていった3人。それでも、古巣に対する想いは今でも薄らいでいない。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)