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【岩政大樹の視点】「決定力の差」とは言えない敗戦。"間"を割られる守備の欠点は解決されず

カテゴリ:日本代表

岩政大樹

2017年11月15日

ベースの部分は固まった。あとは選手たちが、いかに肉付けしていくか。

失点シーンは完全に後手を踏んだ。同サイドにいた酒井宏も含めて、全員でケアしなくてはいけない。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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「プレスを高い位置からかける」に「みんなが全力で戻る」をセットでつけておかないと、日本代表はこのレベルの相手に勝ち筋を見出せないと思います。ほんの数パーセントでも相手のゴールの確率を減らすための献身は、世界トップレベルと戦ううえではより緻密でなくてはなりません。
 
 また、この試合では決して多いわけではありませんでしたが、失点シーンでは今の代表チームがアジアでの戦いから何度も見せてしまっている形からやられてしまいました。
 
 アシストをしたナセル・シャドリ選手に最初に対応したのは久保裕也選手。中に入られた後に森岡亮太選手が、持ち出されると山口蛍選手が、ペナルティエリアに入られると吉田麻也選手が対応にいきましたが、すべてタイミングが遅れ、ボール際の戦い以前のところで外されてしまいました。
 
 つまり、ひとり外されたら次、次が外されたらその次、と対応した選手が外された後に次の手を慌てて用意しているように見えるのです。同サイドにいた酒井宏樹選手も含めて、真ん中をズドーンと割られてしまう場面は全員でなくさなくてはいけません。マークする相手が決められているので対応が難しいとは思いますが、2人目、3人目のポジショニングや守備のビジョンなどを整理して対応してほしいと思います。
 
 ブラジル代表、ベルギー代表と世界のトップクラスの強豪、それも南米とヨーロッパのそれぞれとテストマッチを行なうことができました。ベースとなる部分はもうチームとして固まったのでしょうし、この2試合はそれが揺らぐような戦いでは決してなかったと思います。

 今は勝点でいえば0ポイントですが、ここからいかに1ポイント、あるいは3ポイントへ変えていくか。ワールドカップに初めて日本代表が参加した1998年からずっと続く日本の課題。今の日本のトップ選手たちが、そこにどんな自分なりの答を見出し、チームのベースに肉付けしていくのか。この2試合を頭に留めながら、これからの7か月、そして本大会での闘いぶりを見ていきましょう。

【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。
 
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