カウンタ―への対応はいつ解決されるのか。
しかし、後半は変わった。開始直後から井手口陽介がマルセロに猛然と突っ込み、これは華麗なルーレットでかわされたものの、寄せ切ったことで他の選手が第2、第3のプレスに行き、ネイマールのミスを誘った。そして大迫勇也が回収したボールを、浅野拓磨がシュートに持ち込んでいる。
ムードが変わるきっかけになったはず。50分には最終ラインでボールを持ったジェメルソンに対し、井手口が勢いよく寄せると、この左センターバックは大きくラインの外へ蹴り出すしかなかった。珍しい様子。この試合、井手口にはアンカーのカゼミーロを見る役割が与えられたが、機を見てマークを捨て、大迫に連動してひとつ前のセンターバックを追い込む。このようなプレスは前半にはあまり見られなかったが、行くタイミングさえ周りと合えば、ブラジルからもボールを奪うことは充分にできた。
ビデオ判定のPK、クリアミスと、意外な形で2失点を喫し、前半の日本はプレスのスイッチを入れることも、ボールを受けることも怖がってしまった。後半はその点が修正された。
ただし、本来はここがスタートラインだったはず。ハーフタイムの修正といっても、マイナスをゼロに戻しただけ。後半に復活したチームで、前半を戦いたかった。その点は何より、選手たちも心残りだったようだ。
より継続的な課題として、カウンターへの対処もある。
ブラジル戦ではボールを失った状態からカウンターを食らい、何度もピンチに陥った。36分には久保裕也がボールを奪われ、失点につながっている。これはブラジル戦に限らず、10月のハイチ戦も同様だ。敵陣に押し込んでボールを失った時、中盤が一気に置き去りにされるケースが多発している。プレスバックし、守備ブロックを回復する判断とスピードが間に合っていない。「縦に速い」がコンセプトのチームだが、まさにそこで攻守ともに負けている。
攻撃時のポジションのバランスを含め、ボールを失った時にカウンタープレスに行くのか、それとも戻って守備ブロックを回復させるのか。その判断がまだ曖昧で、解決されていない。ベルギー戦でもポイントになるだろう。
取材・文:清水英斗(サッカーライター)
ムードが変わるきっかけになったはず。50分には最終ラインでボールを持ったジェメルソンに対し、井手口が勢いよく寄せると、この左センターバックは大きくラインの外へ蹴り出すしかなかった。珍しい様子。この試合、井手口にはアンカーのカゼミーロを見る役割が与えられたが、機を見てマークを捨て、大迫に連動してひとつ前のセンターバックを追い込む。このようなプレスは前半にはあまり見られなかったが、行くタイミングさえ周りと合えば、ブラジルからもボールを奪うことは充分にできた。
ビデオ判定のPK、クリアミスと、意外な形で2失点を喫し、前半の日本はプレスのスイッチを入れることも、ボールを受けることも怖がってしまった。後半はその点が修正された。
ただし、本来はここがスタートラインだったはず。ハーフタイムの修正といっても、マイナスをゼロに戻しただけ。後半に復活したチームで、前半を戦いたかった。その点は何より、選手たちも心残りだったようだ。
より継続的な課題として、カウンターへの対処もある。
ブラジル戦ではボールを失った状態からカウンターを食らい、何度もピンチに陥った。36分には久保裕也がボールを奪われ、失点につながっている。これはブラジル戦に限らず、10月のハイチ戦も同様だ。敵陣に押し込んでボールを失った時、中盤が一気に置き去りにされるケースが多発している。プレスバックし、守備ブロックを回復する判断とスピードが間に合っていない。「縦に速い」がコンセプトのチームだが、まさにそこで攻守ともに負けている。
攻撃時のポジションのバランスを含め、ボールを失った時にカウンタープレスに行くのか、それとも戻って守備ブロックを回復させるのか。その判断がまだ曖昧で、解決されていない。ベルギー戦でもポイントになるだろう。
取材・文:清水英斗(サッカーライター)