お互い勝ちにいっている真剣勝負の場。”W杯”は発表会ではない。
だが、ポゼッションサッカーの権化のように言われている(誤解だと思うが)スペインでさえ、マリの激しいプレッシングに対してはあえて長いボールを蹴ってその戦術的な狙いを外す戦い方を見せた。フランスに対しては隠忍自重して守る時間帯も作って勝ち切った。お互いが本気で勝ちにいっている真剣勝負の場なのだから、こんなことは当たり前だ。そうした“戦い”の中でこそ磨かれる感性や個性がある。ワールドカップは“発表会”ではないのだ。
もちろんこれが親善試合や準備の大会ならば、「自分たち」に徹底してフォーカスすることがあってもいいだろう。だが、「相手のギラギラ感がまるで違う」(FW宮代大聖/川崎U-18)ワールドカップは“勝負”の大会であり、そこで勝つための最善策を探らないでは、得られるモノをかえって小さくしてしまう。イングランド戦の戦術的な選択を根拠とした監督批判については「クエスチョン」を提示せざるを得ない。「相手のことを観て言っていますか?」という話である。
もちろん、イングランド戦の内容を受けて日本サッカーの育成全体の力不足を指摘するというなら、それは理解できる。差があったのはどう観ても事実。その点については受け入れて、今後にフィードバックしていく必要がある。だがその差にしても、本気で勝利を拾いに行ったギリギリの攻防のなかだからこそ見えてきたもので、「相手は関係ない」と言って玉砕していた場合、果たして見えたものだったかどうか。
【PHOTO】2018Jクラブ・新卒入団&昇格内定~高校・ユース編
帰国直後、平川はイングランド戦について、こんなことを言っていた。
「どう考えても、個人を見たら力の差が大きかった。このままではいけないという危機感が強い。親善試合だと相手も全然本気ではない。やっぱりワールドカップでやる相手は本当に全力で勝つために戦ってきて、普通の遠征では経験できないものだった」
この戦いで平川が持ち味を出せたかと言えば、そうではないだろう。だが、相手の激しいプレッシャーで自分の長所を殺されるなかでもギリギリまで戦い抜いたことは、彼の今後にとって財産になるはずだ。それはかつて“うまい系”の選手だった彼が、森山監督から叩き込まれてきたことでもある。
もちろんこれが親善試合や準備の大会ならば、「自分たち」に徹底してフォーカスすることがあってもいいだろう。だが、「相手のギラギラ感がまるで違う」(FW宮代大聖/川崎U-18)ワールドカップは“勝負”の大会であり、そこで勝つための最善策を探らないでは、得られるモノをかえって小さくしてしまう。イングランド戦の戦術的な選択を根拠とした監督批判については「クエスチョン」を提示せざるを得ない。「相手のことを観て言っていますか?」という話である。
もちろん、イングランド戦の内容を受けて日本サッカーの育成全体の力不足を指摘するというなら、それは理解できる。差があったのはどう観ても事実。その点については受け入れて、今後にフィードバックしていく必要がある。だがその差にしても、本気で勝利を拾いに行ったギリギリの攻防のなかだからこそ見えてきたもので、「相手は関係ない」と言って玉砕していた場合、果たして見えたものだったかどうか。
【PHOTO】2018Jクラブ・新卒入団&昇格内定~高校・ユース編
帰国直後、平川はイングランド戦について、こんなことを言っていた。
「どう考えても、個人を見たら力の差が大きかった。このままではいけないという危機感が強い。親善試合だと相手も全然本気ではない。やっぱりワールドカップでやる相手は本当に全力で勝つために戦ってきて、普通の遠征では経験できないものだった」
この戦いで平川が持ち味を出せたかと言えば、そうではないだろう。だが、相手の激しいプレッシャーで自分の長所を殺されるなかでもギリギリまで戦い抜いたことは、彼の今後にとって財産になるはずだ。それはかつて“うまい系”の選手だった彼が、森山監督から叩き込まれてきたことでもある。