ガンバスカウトに訊く「東福岡のナンバー10、福田湧矢のどこに惹かれた?」

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年10月28日

ガンバでロールモデルとなるのは、日本代表の倉田秋か

インターハイは2回戦でいきなり青森山田と激突し、1-3で敗れ去った。選手権での捲土重来を期す! 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 では、ガンバは福田のどこを評価して獲得するに至ったのか。ガンバOBで現スカウトの朝比奈伸氏を直撃した。1年時から動向と成長を注視していたようだ。
 
「福岡選抜で優勝した和歌山国体の時からですね。彼は高1でした。ボランチというか中盤の真ん中をやっていて、あの時の印象がものすごく強く残ってます。その後、東福岡ではあの独特のサイドアタッカーをやり、3年になってからはシャドー。ドリブルでの仕掛けができるし、ボールを持ってパスも出せるのはやはり魅力です。しかもキャプテンを任されてからは、積極性がいい意味でプレーにもよく表われているように思います」
 
 とはいえ、プロで一旗上げるためには、課題が少なくない。朝比奈スカウトは指摘する。
 
「やはり身体がまだ弱いので、プレッシャーの中で潰されたり、簡単にボールを取られることがある。こないだのプレミアリーグで、東福岡はガンバユースと戦って0-3で敗れた。ガンバの選手は彼が入団するのを知っていますから、かなり激しく行ってましたよ。選手権でも、徹底マークされると思うんです。その中でどれだけやれるかですね」
 
 ガンバの選手でロールモデルとなるのは、日本代表MF倉田秋あたりになるだろうか。局面打開を最大に武器としつつも、気の利いたパスでゲームを作るなど、中盤でのユーティリティー性がある。朝比奈スカウトも「確かに近いですね。シュウみたいなプレーヤーになってほしい。福田はハードワークでもできる選手ですから」と期待を寄せる。
 
 かたや、東福岡の森重潤也監督はこう見ている。
 
「1年の時にタイトルを総なめにした。インターハイ、国体、選手権の優勝メンバーで。2年の時はタイトルがなかったけど、全国でのトップレベルを知ってるなら、U-18(日本代表)であったり、そういう高いところを目標にしてほしい。その意味ではゲームを読むというか、流れを掴む瞬間的な判断というのは、まだ足りないのかな。(キャプテンになって)人一倍やろうって気持ちは伝わってきますよ」
 
 夏のリベンジを期す“赤い彗星”。守備陣は一定水準の強度を誇るだけに、いかにして強豪のゴールをこじ開けるかが鍵を握る。福田の奮迅の働きなくして、選手権での躍進は望めない。
 
「守備のところは明らかな課題ですけど、自分が得意とする仕掛けの部分をもっと磨いていきたいとも思ってます。U-18(日本代表)も目ざすべきところです」
 
 300人の部員を束ねるさわやか青年は、力強くそう言い切った。
 
 まずは選手権・福岡予選を突破しなければならない。東福岡の次戦は11月18日、東海大福岡と筑紫台の勝者と準決勝を戦う。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
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