【現地発】ベイルは終わってしまうのか? W杯を逃し、マドリーでも立場が…

カテゴリ:ワールド

工藤拓

2017年10月16日

マドリー内部では「いつ売るのか」という議論が…。

CLドルトムント戦ではキレの動きを見せたが、またも負傷離脱。あまりに怪我が多い。(C)Getty Images

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 ベイルとウェールズがワールドカップ出場を逃した当日、『フランス・フットボール』誌は2017年のバロンドール候補30人を発表した。昨シーズンにCLとリーガを制したマドリーからは最多の7選手が選出されたが、その中にベイルの名はなかった。「世界最高の選手」のノミネートから漏れたのは2012年以来、実に5年ぶりだった。
 
 こうしたベイルの現状は、クラブ内部でもある議論を巻き起こしている。
 
「いつ売るべきか」である。
 
 移籍情報専門サイト『トランスファー・マーケット』は、ベイルの現在の市場価格を8000万ユーロ(約104億円)と見積もっている。4年前の獲得時、トッテナムに支払った額はクラブ史上最高の1億100万ユーロ(約131億円)。「ネイマール・バブル」の影響で移籍金の平均価格が跳ね上がっている現状を考慮すれば、その価値は随分と落ち込んでしまった印象だ。
 
 マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は今夏、複数の役員から「今こそ売り時だ」と説得されながら、決して首を縦には振らなかったという。ベイルはクリスチアーノ・ロナウド後のクラブを背負う新たなエースとして、ペレスが個人的に期待をかけた思い入れの強い選手なだけに、簡単には諦められないのだろう。
 
 だが実際のところ、このレフティーのパフォーマンスはCLとコパ・デル・レイのニ冠獲得に貢献した1年目以降、年を重ねるごとに尻すぼみとなっている。まだ衰えが目立つ歳ではないが、これだけ頻繁に怪我を繰り返している選手のコンディションが、今後劇的に上がるとは考えにくい。
 
 28歳で迎える来年のワールドカップは、自身のキャリア最大のイベントとなるはずだった。その目標を失い、マドリーでも居場所をなくしかけているベイルは、はたしてこのまま終わってしまうのか。
 
 現時点ではっきりしているのは、残された時間は多くないということだ。
 
文:工藤 拓
 
【著者プロフィール】
1980年、東京都生まれ。桐光学園高、早稲田大学文学部卒。三浦知良に憧れて幼稚園からボールを蹴りはじめ、TVで欧州サッカー観戦三昧の日々を送った大学時代からフットボールライターを志す。その後EURO2004、W杯ドイツ大会の現地観戦を経て、2006年よりバルセロナへ移住。現在は様々な媒体に執筆している。
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