【現地発】まさに「最高の天国」! マンCが「極上の攻撃マシン」となり得た理由

カテゴリ:メガクラブ

山中忍

2017年10月16日

“新装”されたSBが攻撃の鍵を。

試合後は饒舌で、失点も意に介さなかったグアルディオラ。試合中も、チームのパフォーマンスを楽しむかのように一喜一憂していた。 (C) Getty Images

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 昨シーズンにグアルディオラが、思い通りのサッカーができない理由として挙げたガエル・クリシやバカリ・サーニャなど30代のSB陣を、今夏の移籍市場で一新した成果は明らかだ。
 
 攻守においてエネルギーとスピードが抜群な“新装”SB陣は、積極果敢に攻め上がる。ストーク戦での先制点は、右のカイル・ウォーカーの鋭い折り返しによって演出された。
 
 加えて、グアルディオラ体制下のSBは単なるクロス供給だけではなく、アタッキングサードで軽快なパスワークに絡む働きも求められる。シルバの3点目には、新レギュラーのバンジャマン・メンディが長期離脱を強いられた後に、やはり新戦力のダニーロを差し置いて左SBとして起用されているファビアン・デルフが絡んでいる。
 
 となれば、相手守備陣がアウトサイドへの警戒心を強める。すると必然的に、前線のタレントが、攻撃センスを発揮するためのスペースが中央に生まれる。その結果として、ストーク戦では異なる6選手が得点者となり、5人にアシストがついた。
 
 その攻撃的性能の高さは、選手が交代しても強度が変わらない。ウォーカーによる敵陣内でのプレッシングがきっかけとなった7点目では、73分に投入されたトゥーレ・ヤヤがルーズボールを拾って中央突破。最後は、その10分前からピッチに立っていたベルナルド・シウバが締め括っている。
 
 選手への要求度が高いグアルディオラも、試合後には「自分が率いてからではベスト・パフォーマンスだ」と自軍を褒めちぎった。
 
 同日には、マンチェスター・ユナイテッドとリバプールが直接対決でスコアレスドローに終わり、チェルシーとアーセナルは、それぞれ格下に黒星をつけられ、マンチェスター・Cはプレミアで単独首位に立っている。
 
 首位の座をキープしたこともあってか、「合わせて9得点の試合を観衆も楽しんでくれたことだろう」と、不用意な2失点も意に介さない余裕まで見せたグアルディオラ監督。“攻撃マシン”を操舵するスペイン人指揮官は、これもまた「至福」を意味する「クラウド・ナイン」といった心境だろう。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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