• トップ
  • ニュース一覧
  • 【識者コラム】ハリルホジッチが強調する「デュエル」。日本代表がベースにすべき武器は…

【識者コラム】ハリルホジッチが強調する「デュエル」。日本代表がベースにすべき武器は…

カテゴリ:日本代表

後藤健生

2017年10月10日

「大事にすべきパスサッカーという武器」

14年のワールドカップでは「パスサッカー」を志すも惨敗。ただ、この日本の特長は大事にしていくべきだ。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 第二次世界大戦前から、日本のサッカー界はそうした考えのもとに、パスサッカーを志向してきた(当時想定されていた目標は、アジアの強豪だった中国=香港や日本の統治下にあった朝鮮のチームだった)。そして、戦後も韓国に勝つために、さらに世界と伍して戦うために、日本はパスサッカーに磨きをかけてきたのだ。テクニックと敏捷性を武器とする日本の選手は、戦術にも忠実なプレーができる。そんな特長を活かしたサッカーでもあった。
 
 このようなスタイルを、元日本代表監督の岡田武史は「接近・展開・連続」、同じくイビチャ・オシムは「日本サッカーの日本化」という言葉を使って表現した。
 
 だが、パスサッカーを突き詰めて、ある程度の自信を持って挑んだブラジル・ワールドカップで惨敗を喫したことで、その方向性に対する疑問が生じた。そこで、「速い攻めも使えるように」との意向でハビエル・アギーレが招聘され、アギーレの退任を受けてハリルホジッチが日本代表監督に就任したのだ。
 
 ハリルホジッチ監督は、高い位置でボールを奪って速く攻めるサッカーを志向し、「個の戦い」すなわち「デュエル」を強調。ある意味で、それは「日本サッカーの欧州化」だった。
 
 実際、パスサッカー一辺倒で勝てるはずはない。緩急、長短を使い分ける必要はある。また「個の力」を伸ばすことはどんなサッカーを志向するにしても避けて通れない課題だ。
 
 ただ、日本人選手の特性を考えた時、「パスサッカー」という武器は、やはり大事にしなければいけないのではないか。「パスサッカー」をベースにして、そのうえで速いサッカーもできるようにすること。それこそが、目指すべき道であるはずだ。
 
 ハリルホジッチ流の、つまり「個の戦い」を挑むサッカーで世界を相手に勝つのは難しいだろう。だが、論ずべきは「ロシア大会で勝てるかどうか」ではない。
 
「日本サッカーは将来、どのような方向に進んでいくべきなのか?」
 
 ハリルホジッチ以後の監督選びを考える際には、ぜひそうした視点から議論を積み重ねてもらいたい。
 
文:後藤健生(サッカージャーナリスト)
 
※『サッカーダイジェスト』9月28日号(同9月14日発売)「THE JUDGE」より抜粋
【関連記事】
【識者の視点】“小さな反乱を起こせる”小林祐希はハリルに重要なヒントを与えたか
「香川真司はなぜ日本代表だとパッとしないのか?」の質問にハリルの見解は…
【藤田俊哉の目】NZ戦で元同僚が放った世界基準の一発! 反省は必要だが予行演習なら収穫だ
小林祐希が語る“パスの流儀”「パスを受けた選手がミスしたら自分の責任」
3トップが抱えたもどかしさ―― 久保裕也は「自分でシュートに」「もっと良い距離感で」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ