【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|頼もしいGKとの“あるエピソード”

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年09月25日

野沢や梁の経験値の高さもシーズン終盤に生きている。

関憲太郎はC大阪戦でビッグセーブを披露したが、「憲太郎ならあれくらいやれるだろ」という信頼があった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 2015年シーズン、憲太郎は第1ステージ2節の柏戦のあとから当時所属していたロク(六反勇治/現・清水)にポジションを譲った。それからロクが試合に出場し続けて、日本代表にも呼ばれるほど好調を維持した。
 
 最終的にロクが最後までスタメンを守り切るのだが、ある時、サブとして黙々とトレーニングをこなしていた憲太郎に「こういう状況だけど頼むな」とちょっと声を掛けた。
 
 すると、憲太郎は「大丈夫ですよ。第2GKがしっかりしていることほど安心な状況もないでしょ、ナベさん」と。自分の立ち位置を考えれば悔しさも絶対にあり、決定権を持つ指揮官に対してサラッと言える言葉ではない。憲太郎の心の大きさや人間力を改めて感じ、頭が下がる想いだった。
 
 今節のC大阪戦に関しても準備万端だったのを知っていただけでなく、そんなやり取りが以前にあり、「不安要素など全くなかった」と言えるのだ。ビッグセーブで勝利を手繰り寄せる一因を作ってくれたが、こちらからしたら「憲太郎ならあれくらいやれるだろ」という信頼があった。
 
 フィールドプレーヤーでも、勝負所を分かっている野沢(拓也)や梁(勇基)の経験値の高さがシーズン終盤にきて生きてきている。そしてチームのプレーモデルができてきたからこそ、彼らのイマジネーションやインテリジェンスがアクセントとして効いているのだ。
 
 次節はアウェーで敗れた浦和をユアテックスタジアム仙台で迎え撃つ。勝てば勝点差が3となる大一番で、再びの「6ポイントゲーム」と言っても過言ではないだろう。この試合だけが日曜日開催になるので、27節の締め括りでリベンジを果たしてみせたい。
 
構成●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
 
※渡邉監督の特別コラムは、J1リーグの毎試合後にお届けします。次回は10月1日に行なわれる28節・浦和戦の予定。お楽しみに!
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