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【小宮良之の日本サッカー兵法書】バルサがいとも簡単に敵守備網を無力化できる真の理由とは!?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年09月21日

守備の全てを崩す必要はない

チームの共通理解がなければ、必殺のソーンに飛び込んでも威力は半減する。同じプレーをしても、アルゼンチン代表でのメッシは途端に相手DFに取り囲まれてしまう……。 (C) Getty Images

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 今シーズンのチャンピオンズ・リーグ、ユベントス戦でバルサは、その真価を見せた。
 
 堅牢な守備に手を焼いていたが、まずアンドレス・イニエスタが先陣を切る。ドリブルで「PASILLO INTERIOR」に入り、そこを横切ることで攪乱し、ファウルを得る。FKからルイス・スアレスが際どいシュートを放ったが、これは防がれた。
 
 しかしこの後、リオネル・メッシが扉をこじ開ける。彼は前線のルイス・スアレスにボールを当てると、そのワンツーを「PASILLO INTERIOR」で受け、一瞬だがマークを外してシュート態勢を作り、左足を鋭く振って先制ゴールを挙げた。
 
 相手の人数は十分に足りていたが、「PASILLO INTERIOR」で自由を与えたら、人数に意味はない。シュートレンジであり、連係プレーも可能となるだけに、守る側は後手に回る。堀を埋められ、石垣を崩された城も同然となるのだ。
 
 バルサはメッシだけでなく、それぞれの選手が「PASILLO INTERIOR」にタイミング良く入り、そこにボールを入れ、コンビネーションを繰り出して、チャンスを広げようとしていた。
 
 それは、チームとしての共通理解である。「PASILLO INTERIOR」にボールを入れられれば、シュートまでいけなくても、ゴールに直結したプレーに繋がるのだ。
 
 もちろん、時機を捉えて「PASILLO INTERIOR」に侵入し、フィニッシュまで持ち込むには、相当な腕前が必要になる。しかし、それができたら、守備を一挙に無力化できる。いとも簡単に得点が奪えるのだ。
 
 攻撃は必ずしも、守備の全てを崩す必要はない。「PASILLO INTERIOR」にこそ、ゴールを巡る攻防があるのだ。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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