「PASILLO INTERIOR」で自由を得る――

全てのプレー同様、攻撃そのものにも「ツボ」があり、これを押すことで確実に相手を苦しめることができる。メッシは今シーズン、写真のCLユベントス戦だけでなく、各試合で圧巻のプレーを披露している。 (C) Getty Images
<守備を崩す>
サッカーでは、そのような表現が用いられる。
端的には、ペナルティーエリア内でシュートに入る態勢を作る、とも言い換えられるだろうか。相手DFの裏を取るかたちで、決定的なシュートに持ち込むまでのパス、ドリブルなどのプレーを指している。
もっとも、守備を崩すというのは簡単なことではない。
なぜなら、DF陣がボールを奪い取ろうと、手ぐすね引いて待ち構えているからだ。綻びが出た時のカバーについても、十分にトレーニングされている。たとえ、両チームのあいだに明確な実力的に差があったとしても、集中してポジションを取っている限り、ずたずたに守備陣が引き裂かれるケースは少ない。
だからこそ、ポゼッションによる遅攻よりも、ボールを奪ってから即座に攻め入るカウンターが全盛を極めているのだろう。
互角の相手を攻め崩す。それは、非常に難しい作業だと断言できる。
これについては、世界最高レベルの攻撃力を誇るバルセロナが、ひとつの答えを与えてくれるかもしれない。
バルサの個人能力は高いし、コンビネーションも十分に練られている。サイドを崩し、中央のマークをずらす――。そういう崩しには一日の長がある。そのパスワークは、想像を絶するものだ。
しかしバルサといえども、完全に相手を崩せる機会にはそうそうめぐり合えないものである。
そこで彼らが攻撃の要諦にしているのが、「『PASILLO INTERIOR』で自由を得る」ことである。
「PASILLO INTERIOR(パシージョ・インテリオール)」とはDFとMFの前を横切るスペースを指している。本来は「回廊」という意味だ。
攻撃する側は、建物にある廊下に幾つもの部屋が並ぶなか、どこかで扉を開けようとする。この“扉”がDFに擬えられるだろうか。鍵がかかっていない、もしくは空きそうな部屋というのは必ずどこにあり、攻撃側はボールを動かすことでそれを見つけ出し、開けてみせるのだ。
つまり、「PASILLO INTERIOR」に入って“作業”ができるようなら、扉を開けられる可能性は必然的に高くなる。
サッカーでは、そのような表現が用いられる。
端的には、ペナルティーエリア内でシュートに入る態勢を作る、とも言い換えられるだろうか。相手DFの裏を取るかたちで、決定的なシュートに持ち込むまでのパス、ドリブルなどのプレーを指している。
もっとも、守備を崩すというのは簡単なことではない。
なぜなら、DF陣がボールを奪い取ろうと、手ぐすね引いて待ち構えているからだ。綻びが出た時のカバーについても、十分にトレーニングされている。たとえ、両チームのあいだに明確な実力的に差があったとしても、集中してポジションを取っている限り、ずたずたに守備陣が引き裂かれるケースは少ない。
だからこそ、ポゼッションによる遅攻よりも、ボールを奪ってから即座に攻め入るカウンターが全盛を極めているのだろう。
互角の相手を攻め崩す。それは、非常に難しい作業だと断言できる。
これについては、世界最高レベルの攻撃力を誇るバルセロナが、ひとつの答えを与えてくれるかもしれない。
バルサの個人能力は高いし、コンビネーションも十分に練られている。サイドを崩し、中央のマークをずらす――。そういう崩しには一日の長がある。そのパスワークは、想像を絶するものだ。
しかしバルサといえども、完全に相手を崩せる機会にはそうそうめぐり合えないものである。
そこで彼らが攻撃の要諦にしているのが、「『PASILLO INTERIOR』で自由を得る」ことである。
「PASILLO INTERIOR(パシージョ・インテリオール)」とはDFとMFの前を横切るスペースを指している。本来は「回廊」という意味だ。
攻撃する側は、建物にある廊下に幾つもの部屋が並ぶなか、どこかで扉を開けようとする。この“扉”がDFに擬えられるだろうか。鍵がかかっていない、もしくは空きそうな部屋というのは必ずどこにあり、攻撃側はボールを動かすことでそれを見つけ出し、開けてみせるのだ。
つまり、「PASILLO INTERIOR」に入って“作業”ができるようなら、扉を開けられる可能性は必然的に高くなる。