【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|青森山田編

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2014年04月09日

3失点に課題を残すも、芽吹きつつあるゴールへの意識。

今年の「7番」を任された山下優人は、昨季からの主力メンバー。攻守にチームを引っ張る。 (C) SOCCER DIGEST

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「サニックス杯である程度やれる自信がついた。でも、やっぱり実戦経験が足りないし、不安も多い」(黒田監督)

 サニックス杯からわずか2週間後に迎えたプレミア開幕戦。相手は昨年度の覇者であり、今年も優勝候補にあげられる流経大柏。しかも、青森からバスで移動してのアウェーとあって、青森山田には不利な状況であった。だが、前半は青森山田の守備がハマった。小笠原と北城の両ウイングバックが素早い帰陣と献身的な守備を見せ、3バックも相手の仕掛けにしっかりと対応。狙い通りの守備を遂行した。

 しかし後半、「あれほどサイドから中に切り込ませるなと言ったのに、やらせてしまった」と、相手DFの久保和己にペナルティーエリア深くまで突破を許し、ファウルでPKを与えてしまった。この失点でガクッときたのか、64分、68分と立て続けに失点。
「甘さが出た。すべてミスからの失点。特に2、3点目はGKとの連係がしっかりしていれば防げていた」(黒田監督)

 だが、ここから選手たちは今後に光をもたらす戦いぶりを見せた。黒田監督は61分、ボランチの霞恵介に代えてFW中田稜大を投入。71分にはGK木村大地を1年生GKの廣末陸に、さらにFW松木駿之介を田中優勢に代えると、交代選手がチームを活性化させた。

 78分、中田のパスを受けた丹代が、鋭いドリブルで左サイドを破り、ニアサイドに強烈なシュートを叩き込むと、87分には右からの折り返しを田中が詰めて、あっという間に1点差に迫る。結果的には2-3で敗れ、黒星スタートとなったが、「みんなでゴールを奪うという意識は出てきている。交代出場した選手が、前への推進力を出して点を取ってくれたのは大きい」と黒田監督が語ったように、3失点の後に大崩れせず巻き返してみせたことは、チームにとってプラス材料だ。

 だが、「失点をしないためのフォーメーションなのに、3失点しては軽い部分があったと言われても仕方がない。今後もっと改善していきたい」(山下)と、選手たちはこの敗戦を糧にしようとしている。

「これまでプリンスもプレミアも一度も降格をしたことが無い。今年でその伝統を崩したくないからこそ、全員で守って攻撃をして、プレミアに残留したい」と、主将の小笠原はプレミア残留を目標に全員守備・全員攻撃を強調する。

 伝統を守るため――。例年同様、雪によって出遅れた分は、一人ひとりの自覚と意識の共有で取り返す。雪のない地域のチームには負けられない。この決意を胸に、青森山田の4年目のシーズンが始まった。

取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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