攻撃はスペインはおろかイスラエルにすらも…。
もうひとつの問題は中盤センターの恒常的な数的不利。攻撃時にはウイングはもちろん左右のSBも高い位置まで進出して4-2-4どころか2-4-4に近い陣形を取るため、ネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)時にはデ・ロッシとヴェッラッティがピッチの幅を大きくカバーせざるをえず、フィルターに穴が空いて中盤ラインを破られることが多い。
また、一旦守備陣形を整えた後も、敵の3MFに対して常に数的不利に置かれているため、簡単な左右の揺さぶりや3人目の縦の走り込みに対応できないことが多かった。
スペインの1点目につながったFKを与えたファウルは、デ・ロッシとヴェッラッティの間を通されたスルーパスが原因。2点目も2人の間が大きく開き、イスコにそこを縫う形でシュートを打たれている。
一方、攻撃の局面においては、一旦後方でポゼッションを確立してチームを押し上げ、そこから縦にボールを入れて仕掛けるというコンセプトそのものが、スペインにはおろかイスラエルにすらも通用しなかった。
横パスを多用したスローなポゼッションでハーフウェイライン付近までボールを運んだ時点で、左右のSBが高い位置まで押し上げ、ウイングも開き気味のポジションを取る一方、2トップは中央で横に並んで近い位置取りをするというのが、指揮官の指示だ。
これはセントラルMFとSBあるいはウイングの斜めのパス交換を軸として、(1)外から中への戻しのパスをダイレクトで前線に送り込み一気にフィニッシュを狙う、(2)外での数的優位を活かしてサイドをえぐりクロスを折り返す、という2つの形で決定機を作り出そうという意図からだ。
しかし、(1)はすでに相手にパターンを読まれて中央のパスルートを潰されているうえ、2トップが連携した動きでDFに揺さぶりをかけることもないため、試みることすらできない。必然的にサイドからの攻撃に頼るも、攻撃が単調になり相手にはね返されて終わりという繰り返しだった。
スペイン戦では前半に一度、ベロッティがニアサイドでヘディングシュートに成功した以外、決定機らしい決定機はほとんど作れず、イスラエル戦でもチャンスは何度か作ったとはいえ相手を崩し切る場面は皆無。インモービレの決勝ゴールも、CKの二次攻撃から力ずくでねじ込んだものだった。
ヴェントゥーラ監督はスペイン戦後のインタビューで、中盤の構造的な数的不利を解消しなかった理由について尋ねられ、次のように応えた。
「我々はひとつのやり方に取り組んでいる。ひとつの試合がすべてを変えることはない。問題はむしろ我々がどんなサッカーをするか、したいかにある。まずはこの試合を分析して、そこから一歩前進していこう」
しかし、ここまで見てきた通り、イスラエル戦でもスペイン戦で露呈した問題は解決されないままだった。イタリアのマスコミでは、4-2-4というシステムを槍玉に挙げる声も少なくなかった。しかし、問題はシステムを変えればそれで解決するほど単純ではない。
また、一旦守備陣形を整えた後も、敵の3MFに対して常に数的不利に置かれているため、簡単な左右の揺さぶりや3人目の縦の走り込みに対応できないことが多かった。
スペインの1点目につながったFKを与えたファウルは、デ・ロッシとヴェッラッティの間を通されたスルーパスが原因。2点目も2人の間が大きく開き、イスコにそこを縫う形でシュートを打たれている。
一方、攻撃の局面においては、一旦後方でポゼッションを確立してチームを押し上げ、そこから縦にボールを入れて仕掛けるというコンセプトそのものが、スペインにはおろかイスラエルにすらも通用しなかった。
横パスを多用したスローなポゼッションでハーフウェイライン付近までボールを運んだ時点で、左右のSBが高い位置まで押し上げ、ウイングも開き気味のポジションを取る一方、2トップは中央で横に並んで近い位置取りをするというのが、指揮官の指示だ。
これはセントラルMFとSBあるいはウイングの斜めのパス交換を軸として、(1)外から中への戻しのパスをダイレクトで前線に送り込み一気にフィニッシュを狙う、(2)外での数的優位を活かしてサイドをえぐりクロスを折り返す、という2つの形で決定機を作り出そうという意図からだ。
しかし、(1)はすでに相手にパターンを読まれて中央のパスルートを潰されているうえ、2トップが連携した動きでDFに揺さぶりをかけることもないため、試みることすらできない。必然的にサイドからの攻撃に頼るも、攻撃が単調になり相手にはね返されて終わりという繰り返しだった。
スペイン戦では前半に一度、ベロッティがニアサイドでヘディングシュートに成功した以外、決定機らしい決定機はほとんど作れず、イスラエル戦でもチャンスは何度か作ったとはいえ相手を崩し切る場面は皆無。インモービレの決勝ゴールも、CKの二次攻撃から力ずくでねじ込んだものだった。
ヴェントゥーラ監督はスペイン戦後のインタビューで、中盤の構造的な数的不利を解消しなかった理由について尋ねられ、次のように応えた。
「我々はひとつのやり方に取り組んでいる。ひとつの試合がすべてを変えることはない。問題はむしろ我々がどんなサッカーをするか、したいかにある。まずはこの試合を分析して、そこから一歩前進していこう」
しかし、ここまで見てきた通り、イスラエル戦でもスペイン戦で露呈した問題は解決されないままだった。イタリアのマスコミでは、4-2-4というシステムを槍玉に挙げる声も少なくなかった。しかし、問題はシステムを変えればそれで解決するほど単純ではない。