【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|流経大柏編

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2014年04月08日

十分な破壊力を秘める赤い旋風。攻守に多彩なタレントが並ぶ。

キャプテンであり、司令塔としてもチームをリードする相澤祥太。高度なパスセンスは必見。 (C) SOCCER DIGEST

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 昨季はSBでプレーした小川が、今季はCBを務める。快足を活かしたカバーリングが武器で、昨季の公式戦を経験している数少ない選手のひとりだ。チームでは3バックも試しており、相手のボールホルダーを厳しく追い回し、苦し紛れにロングパスを蹴れば2バックの背後に控える小川が奪う。慎重を期する試合では、そんな戦い方も可能になっている。小川は、
「失点が多いチームはリーグ戦を勝っていけない。前から行き過ぎてバランスが崩れる時もあるけど、声を掛け合ってしっかりと守備をやりたい」
 と、ディフェンス面でのリーダーシップを取る決意を示した。

 一方攻撃では、サイドアタックが最大の武器。司令塔の相澤の配球から、相手の手薄なサイドへ押し込み、コンビネーションプレーで中央を攻略する形が多い。そして、ゴール前では指揮官から「攻撃のセンスはナンバーワン」と絶賛される高沢優也がフィニッシュを狙う。他にも攻撃陣の顔ぶれはバラエティーに富んでおり、陣容は多彩だ。

 青森山田戦で2得点を挙げたFW儀保は、沖縄出身。進学時に複数のJユースから勧誘を受けていた期待の星だ。中学時代からジェファFCでともにプレーをする相澤や高沢、さらに伴恭輔は当然のように連係力が高い。また下級生には、小学生時にスペインのアトレティコ・マドリーの育成組織で育ったFW宮川類、ドイツのマインツユースから編入してきたFW高橋万覇人という異文化で揉まれてきた帰国学生もいる。

 中盤では、周囲の選手を巧みに使う連係プレーが得意な新垣貴之にも注目したい。左サイドを務めることが多く、青森山田戦でも活躍を見せた新垣は、
「シーズン前のオーシャンカップの決勝戦(※昨年12月末に波崎で開催。この時は3-0で青森山田に勝利)では、パスが450本くらいつながっていた。普段は、300を超えるくらい。みんなの調子が良いなと感じることができた。でも、その時も終盤に甘さが出た。集中力の部分は課題」
 と気を引き締めていた。

 最終ラインの小川は、「攻撃の隠し玉」でもある。前述したように元々はSBで、大きくて速いという身体能力を活かしたアタックは脅威。国際親善大会のイギョラカップで札幌U-18と決勝戦を戦った際は、終盤に小川をサイドへ配置しただけで、一気に試合の流れが流経大柏に傾いた。さらに、対人プレーに強い福井崇志はFWとDFで併用されており、終盤に前線で起用された場合には、短時間でも得点を狙える貴重な戦力だ。

 プレミア開幕戦を白星で飾り、MF相澤はチームへの手応えを語った。
「前回優勝チームだから、今年も優勝争いをしたい。しなければいけないというプレッシャーもある。でも、考え過ぎても良いことはない。どのみち、やるからには優勝を目指すもの。公式戦の経験者が少なくて開幕戦は硬さがあったけど、慣れていけば問題ない」

 高体連初のチャンピオンシップ制覇を果たした「赤い旋風」は、今季も十分な破壊力を秘めている。ふたたび猛威を振るうに違いない。

取材・文:平野貴也(フリーライター)

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