余裕がなかった日本代表。“コントロール”と名のつく要素でもサウジに上回られた

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2017年09月07日

良くなかったのは本田だけではない。

43分に自陣で奪われた危険なミスを取り上げるまでもなく、本田のプレーは良くなかった。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 前方にいるのが本田圭佑なので追い越したくなる状況は多かったが、体力がもたない。6月イラク戦の後半、酒井宏が足を痛めて交代したことを繰り返すリスクがあった。
 
 また、本田からのパスも、少しずつズレた。32分に柴崎からのワンタッチパスを受けた本田は、右サイドを上がる酒井宏へ展開したが、このパスが前のスペースに流れ過ぎている。酒井宏は、さらに10メートルほど走らなければならない。
 
 このボールが転がっている無駄な時間が、相手に余裕を与える。サウジアラビアのDFは悠々と下がってクロスに備えており、岡崎慎司と原口元気が走り込むものの、ペナルティエリア内はすでに5枚に固められ、スペースに乏しかった。そのぶん、DF陣の手前、マイナス方向のスペースは空いたが、酒井宏には見えず。
 
 結局、ワンタッチで蹴ったクロスは、スライドしてきた手前のDFに引っかかった。この一連のぎこちなさは、本田のパス精度の低さが出発点。43分に自陣で奪われた危険なミスを取り上げるまでもなく、本田のプレーは良くなかった。

 本田だけではない。20分に吉田のイエローカードにつながる山口蛍のバックパスの失敗。28分にはゴール前で吉田がボールを失いかけるシーンがあったが、それは彼自身のコントロールのもたつきだけでなく、吉田に出した昌子のパスがズレたことが出発点。コンディションの差は如何ともしがたいので、せめて丁寧にプレーし、時間を潰したかったところ。
 
 ゲームコントロール、ボールコントロール。コンディションで不利なら他の要素で何とかしたかったが、“コントロール”と名のつく要素でも相手に上回られた。これでは厳しい。どんなチームであれ、試合の状況が求めるのなら、それをやらなければならない。
 
 この試合は最終予選で初めて、先制ゴールを奪えなかった試合になったが、尻つぼみ感のあるゲーム運びは、最後まで気になった。
 
取材・文:清水英斗(サッカーライター)

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