「“ブレないプレースタイル”を学びたい」

パチューカは、かつて北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、アメリカ合衆国サッカー連盟、カナダサッカー協会、メキシコサッカー連盟の主催で行なわれていた国際大会、スーパーリーガでも優勝を経験している。(C)Getty Images
ただ、もちろん異なる部分もある。
メキシコは6大会連続でベスト8の壁を越えられずにいるが、プレースタイルは一貫している。その点は、5大会連続出場中ながら大会ごとに、監督が代わるたびに方針が揺れる日本とは大違いだ。ある意味、メキシコには柔軟性がないとも言えるが、どうプレーすべきかという考え方が明確なのだろう。分析や意見がいろいろと出てきても、それを統一もできなければ継続性もないよりは、ずっとスッキリしていて道筋が見えやすい。それまでやってきたことを御破算にして別のものにすり替えることは、建設的とは言えないはずだ。
本田が移籍したパチューカはメキシコきっての強豪だが、コパ・スダメリカーナを制した(2006年)ことでも知られる。彼らはCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)のクラブとして、初めてCONMEBOL(南米サッカー連盟)主催の国際大会で優勝したのだ。また、メキシコ代表は93年以来、招待国としてコパ・アメリカ出場を続け、準優勝が2回。クラブ、代表とも大陸連盟をまたいだ活動に積極的で、アメリカとの2強状態にあるCON CACAFに安住していない。
手っ取り早い代表の強化策は、強豪国の胸を借りることだが、日本はなかなかAFC(アジアサッカー連盟)の井戸から出られずにいる。これまで海外組の経験をフィードバックする形で代表を編成してきたが、ワールドクラスの個がいない以上、チームとして対抗するほうが理に適っている。つまり強力な個を組み合わせる南米方式よりも、チームをベースとするメキシコ式の強化のほうが合っているはずなのだ。だから日本もメキシコと同様、コパ・アメリカの常連になるべきだと思っている。
プレースタイルが確立されてブレないこと、そして大陸をまたいでの強化。この2点は日本が是非ともメキシコから学ぶべきである。
文:西部謙司(サッカージャーナリスト)
※『サッカーダイジェスト』8月10日号(7月27日発売)「THE JUDGE」より抜粋
メキシコは6大会連続でベスト8の壁を越えられずにいるが、プレースタイルは一貫している。その点は、5大会連続出場中ながら大会ごとに、監督が代わるたびに方針が揺れる日本とは大違いだ。ある意味、メキシコには柔軟性がないとも言えるが、どうプレーすべきかという考え方が明確なのだろう。分析や意見がいろいろと出てきても、それを統一もできなければ継続性もないよりは、ずっとスッキリしていて道筋が見えやすい。それまでやってきたことを御破算にして別のものにすり替えることは、建設的とは言えないはずだ。
本田が移籍したパチューカはメキシコきっての強豪だが、コパ・スダメリカーナを制した(2006年)ことでも知られる。彼らはCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)のクラブとして、初めてCONMEBOL(南米サッカー連盟)主催の国際大会で優勝したのだ。また、メキシコ代表は93年以来、招待国としてコパ・アメリカ出場を続け、準優勝が2回。クラブ、代表とも大陸連盟をまたいだ活動に積極的で、アメリカとの2強状態にあるCON CACAFに安住していない。
手っ取り早い代表の強化策は、強豪国の胸を借りることだが、日本はなかなかAFC(アジアサッカー連盟)の井戸から出られずにいる。これまで海外組の経験をフィードバックする形で代表を編成してきたが、ワールドクラスの個がいない以上、チームとして対抗するほうが理に適っている。つまり強力な個を組み合わせる南米方式よりも、チームをベースとするメキシコ式の強化のほうが合っているはずなのだ。だから日本もメキシコと同様、コパ・アメリカの常連になるべきだと思っている。
プレースタイルが確立されてブレないこと、そして大陸をまたいでの強化。この2点は日本が是非ともメキシコから学ぶべきである。
文:西部謙司(サッカージャーナリスト)
※『サッカーダイジェスト』8月10日号(7月27日発売)「THE JUDGE」より抜粋