【仙台】出番激減も…鹿島を知り尽くした男が放った輝き。両指揮官も賛辞惜しまず!

カテゴリ:Jリーグ

小林健志

2017年08月31日

若手の頑張りを何とかタイトルにつなげたいという想い。

 渡邉監督は野沢の先発起用に関して「クリス(クリスラン)が負傷を抱えていて、梁が代表招集でいない。(野津田)岳人は前所属で出場している関係で出られない。3枚のFWを欠いた状況で、拓也の起用がアイデアとして浮かびました。百戦錬磨の人間ですから1stレグ、2ndレグの戦い方も知っているでしょうし、古巣相手で気持ちも入るでしょうし、大きな期待を寄せて起用を決めました。あのくらいのパフォーマンスを見せてくれたのはさすがです」と期待に応えたベテランに賛辞を惜しまなかった。
 
 野沢自身は「前半から高さのある選手と話し合っていたので、(CKを)修正できたのが得点につながりました」と、DFと試合中にコミュニケーションを取り合い、セットプレーを微修正していったことを明かした。
「この大会は若い人たちの力がありましたし、みんなで積み上げた自信と成果でトーナメントへ進めました。だから慌てませんでした」
 
 西村、佐々木匠、椎橋といった若手の台頭によって4年ぶりに掴み取った準々決勝の舞台。若手の頑張りを何とかタイトルにつなげたいという想いが、野沢を奮起させた。
 
 第2戦がまだ控えていることもあり、野沢はまったく気を緩めない。「鹿島は間違いなく修正してくる」。試合後のロッカールームでも話したというその言葉は、渡邉監督も監督会見で何度も繰り返していた。鹿島を知り尽くした男の言葉はそれだけ重い。手負いの鹿島だが、2年ぶりの優勝へ向けて第2戦はホームで勢いを持って試合に入るのは間違いない。それをよく理解するベテラン野沢が、仙台をクラブ初の準決勝進出へと導けるか。何度も輝きを放ったカシマスタジアムで、再び輝いてみせる時が来た。
 
取材・文:小林健志(フリーライター)
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