【日本代表】才能豊かな世代がなぜ遅咲きに? 紆余曲折を経た「プラチナ」の現在地

カテゴリ:日本代表

加部 究

2017年08月30日

明らかに遅咲きが目立つが、いつどんな刺激で変貌するか分からないのがサッカー人生。

今回の日本代表には、小林(中央)など計5名のプラチナ世代が選出された。早くから注目されてきた世代は、代表の主役となれるだろうか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 だがこれらの現象を総括して、成功の方程式を見つけるのは難しい。結局成否の分岐点は、巡り合いを中心とした運不運になる。ただし強いて挙げれば、いくら逸材と呼ばれて来ても、やはり日本代表に辿り着くまでには紆余曲折があった。
 
 育成段階では、杉本健勇はCBに、武藤はSBに転向する可能性もあった。広義でプラチナ(93年早生まれ)の大島僚太にとっては、川崎が理想の環境だったが、杉本にとっては試練の場所となった。しかし一度外に出て舐めた辛酸をバネに、ようやく古巣に戻り規格外の能力を発揮し始めた。東京Vでは十代で主将を務めた小林も、もし移籍先の磐田で関塚体制が成功していたら、ボランチの控えで萎んでいたかもしれない。選手生活の剣ヶ峰で名波浩という監督に出会い、トップ下に戻されたことで再浮上した。また何より小林には、自身と取り巻く状況を客観視し、進むべき道を妥協せずに切り拓く賢明さとメンタルの強さがあった。
 
 こうして今回は、プラチナ世代から5人が日本代表に選ばれた。だがロシア・ワールドカップの年に26歳になる彼らは、もはやベテランの域へと差しかかっていく。決して期待度の高くなかった北京五輪世代の充実と比べると、明らかに遅咲きが目立つ。しかしいつどんな刺激で変貌するか分からないのがサッカー人生である。5人を突破口に本気でしのぎを削るようになれば、まだプラチナ世代が次の隆盛を築く可能性は残されている。
 
取材・文:加部 究(スポーツライター)

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